第五十話 ページ5
「おいデーボ、聞くことがある。俺は両手とも右腕の男を探している…その男のスタンドの正体を喋ってもらおうか」
「バカか?スタンドの正体を人に見せる殺し屋はいねえぜ。見せた時は相手か自分が死ぬ時だからよ!」
「素直に言いなさいよ。じゃないと、今度は口をホッチキスで縫いつけるわよ」
セーラー服のポケットから取り出したホッチキスをカシャカシャと鳴らし、姓は言った。
「てめーらのようにみんなに知られちまってるスタンド使いは、弱点までも知れ渡っているのさあーっ。この小娘が来なかったら、てめーをブッ殺していたぜーっ。ガルルーーッ」
ガシャゴッ、と硬い音が響いた。
姓が、デーボの人形の口にホッチキスを入れ、針を刺したのだ。
「素直に言えって言ったわよね?今度は反対の口の中に突き刺すわよ」
鋭く人形を睨む姓に、ポルナレフは恐怖で冷や汗が流れた。
「ポルナレフさん、これどうする?ベランダから落とす?」
「いや、俺が切り刻む」
銀の戦車を出したポルナレフは、顔面が潰れた人形をずたずたに切り裂いた。
スタンドを消すと、ポルナレフはため息をはき出してその場に座り込んだ。
「姓が来てくれて助かった。メルシー」
「偶然よ。私は部屋に戻るわ。千紘を一人にしているし」
「待て。さっきジョースターさんの部屋に全員を集めてくれと電話をしたんだ」
「ああ…わかったわ。行きましょう」
そう言ったわりには、ポルナレフを待たずにさっさと部屋を出ていく姓。
「待ってくれよ姓ッ」
「なるべく千紘と空条君を同じ空間にいさせたくないのよ。早くしてちょうだい」
「お前……ほんとに承太郎のことが嫌いだな」
「いいじゃない。彼の方だって私が嫌いなんだから」
「何かあったのか?そんなに嫌い合うなんてよ〜」
「別に。初対面の時思っただけよ。"こいつとは絶対合わねえな"って」
「そうかァ?」
「そうよ」
ジョセフとアヴドゥルの部屋に到着したポルナレフと姓。
遅かったので、千紘にとても心配されるという結末が待っていた。
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (2022年4月20日 15時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - とても面白いです!更新が止まってるようですが、続き楽しみにしてます! (2019年4月13日 3時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナーガ | 作成日時:2017年10月22日 17時