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第七話 ページ9

「千紘ちゃん」

『は…はい……なん、ですか…?』


廊下を歩いていたら、クザンさんに声をかけられた。

この世界の人達は皆ありえないくらい身長が高いから、妙に威圧感がある。


「そんな怯えないで。さ、行こうか」

『わっ!?』


クザンさんに抱えられると、近くの窓から飛び降りた。


『きゃあああああああああああ!?』


何故だか、最初の頃に飛行機が不時着した時より恐怖を感じた。


下ろしてもらうと、近くには青色の自転車が置いてあった。


「後ろ乗って。クッション付けたから痛くないと思うよ」

『え?え…?』

「ほらほら、早く」

『は、はいっ』


促されるまま荷台のクッションの上に座った。

……あれ?ニケツってここでは大丈夫なのかな?


「しっかり掴まっててね」

『…分かりました』


でもなるべく邪魔にならない様に、背中の部分を掴んだ。

クザンさんは自転車を漕ぎ始めると、まっすぐ海へと向かっていく。


『ク、クザンさん!?目の前は海ですよ!?』

「大丈夫だって」


片手に持っている承君の学帽を握る力が強くなる。


すると、みるみる自転車の前方が道のように凍っていった。

これが、悪魔の実の能力なんだ。


『凄い…』

「大丈夫だろ?」

『はい』


これなら海の上も進める。


『……あの、ところでどこへ行くんですか?』

「すぐそこだから、それまで秘密」

『はあ…』


誰にも言う暇がなかったけれど、大丈夫なのかな。

……というか、クザンさん仕事終わったのかな…?


キコキコと、クザンさんが自転車を漕ぐ音を聞きながら、ふと空を見上げると、大小さまざまなシャボン玉が流れてきた。

近くまできたシャボン玉を啄いてみると、割れずに後方へ飛んでいく。


『――わぁ!』


前方には、たくさんのシャボン玉が浮かんでいる島があった。

でも、地面を見ると木の根の様なものが密集している。

マングローブ林みたいなものなのかな?


「シャボンディ諸島っつーんだ。綺麗な所だろ?」

『はい…凄く』


クザンさんが言うには、あれはヤルキマンマングローブという樹木が集まってできた島らしい。

そしてその樹が分泌する液体が、割れないシャボン玉を作っているとか。


『面白い所ですね』

「だろ?本部に近いけど、サボる時によく行くんだ」


……それを堂々と言うなんて、この人はどんだけ普段からサボっているんだろう。

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ローグ - めっちゃ面白いですね!更新頑張ってください!あ、あと16話の″後悔″は″航海″ですよ! (2019年3月24日 20時) (レス) id: 9534f8c68f (このIDを非表示/違反報告)
ナーガ(プロフ) - 輝夜さん» コメントありがとうございます!!返信が遅くなってしまいごめんなさい!これからもよろしくお願いしますっ! (2017年11月5日 15時) (レス) id: 44a0d047ab (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 一言いいですか・・・・・おもしろすぎるわ馬鹿やろぉぉぉぉぉ!!!しかもコラソンとロー出てるしやばい((一言で収まらなかったw (2017年10月21日 15時) (レス) id: 9db3921189 (このIDを非表示/違反報告)
閻魔舞(プロフ) - ナーガさん» WWW はい!読ませていただきます! (2017年9月24日 1時) (レス) id: c9845c6beb (このIDを非表示/違反報告)
ナーガ(プロフ) - 閻魔舞さん» ありがとうございます!!よければ、他の作品もよろしくお願いしますね!(さりげなくアピールww) (2017年9月23日 22時) (レス) id: 33ea84a1a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナーガ | 作成日時:2017年8月8日 18時

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