第三十一話 ページ33
なんとか、路地裏へと逃げ込めだ。
久しぶりの全力疾走で、脇腹が痛い…。
「千紘、頼む。この事をアイツらやゴミ山に住んでる奴らに伝えてくれ!俺はこの町から出られねェんだ!!」
『そんなの分かってるよ。私だって、赤の他人だけど、救えるなら救いたいもの!』
そう言うと、サボ君は頼りなさげな笑顔になった。
「千紘が来てくれて良かった……ありがとな」
『私なんて…でも、サボ君も無茶だけはしないでね。死んでしまったらそれで終わりなんだから』
「分かってる。俺だって、こんな所で死にたくないさ」
私とサボ君はここで別れた。
早く…早く……他の人達に伝えないと!
大門を抜け、グレイ・ターミナルへと戻ってきた。
ここからだと町から近過ぎる…もう少し先で言おう。
大門からも結構な距離だ。ここなら…ッ!
『皆さん聞いてくださいッ!ここは今夜全て燃やされるんです!!だから早く逃げてください!』
そう言うと、周りにいた人達は突然笑い始めた。
「何言ってんだ嬢ちゃん。ここをわざわざ燃やすなんて、んな面倒な事町のヤツらがする訳ねェだろ」
『違います。数日後、国に偉い人がやって来るから、この国の汚点を全て燃やそうとしているんです。ここに住んでいるあなた達も全て』
そこまで言うと、事の重大さが分かってきたのか慌て出した人達。
けれど、落ち着いてくださいと呼びかけた。
『今から動いては、きっと町の人達に気付かれてしまいます。だから今はまだ、ここに住む人達に伝えるだけにしてください。事前に知っていれば、火事から逃げられる方法は考えられます』
「わ、わかった」
「おいお前ら!!他の奴らにも伝えるぞ!!」
行動を起こす人達を見て、小さく息をはいた。
あとは、フーシャ村に戻って絮安と待ってくれている2人に伝えるだけだ。
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ローグ - めっちゃ面白いですね!更新頑張ってください!あ、あと16話の″後悔″は″航海″ですよ! (2019年3月24日 20時) (レス) id: 9534f8c68f (このIDを非表示/違反報告)
ナーガ(プロフ) - 輝夜さん» コメントありがとうございます!!返信が遅くなってしまいごめんなさい!これからもよろしくお願いしますっ! (2017年11月5日 15時) (レス) id: 44a0d047ab (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 一言いいですか・・・・・おもしろすぎるわ馬鹿やろぉぉぉぉぉ!!!しかもコラソンとロー出てるしやばい((一言で収まらなかったw (2017年10月21日 15時) (レス) id: 9db3921189 (このIDを非表示/違反報告)
閻魔舞(プロフ) - ナーガさん» WWW はい!読ませていただきます! (2017年9月24日 1時) (レス) id: c9845c6beb (このIDを非表示/違反報告)
ナーガ(プロフ) - 閻魔舞さん» ありがとうございます!!よければ、他の作品もよろしくお願いしますね!(さりげなくアピールww) (2017年9月23日 22時) (レス) id: 33ea84a1a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナーガ | 作成日時:2017年8月8日 18時