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第九話 ページ11

マルコさんが見えなくなると、入れ替わるようにクザンさんが戻ってきた。


「うわっ、何だこいつ」

『さっき、色々ありまして…』


私は起こった事を話した。


「ごめんな。一緒に連れていけば良かった」

『平気です。マルコさんという方が助けてくれましたので』

「マルコ…?それって、金髪で胸に刺青入ってる男?」

『そうですけれど……お知り合いですか?』

「知り合いっつーか…まァ、敵同士」

『えっ!?』


敵って事は、マルコさんは海賊だったんだ……。

助けてくれたし、悪そうな人には思えなかったけどな。


「白ひげは比較的一般人に危害を加えない海賊だからな」

『海賊にもいろいろな人がいるんですね』


今回、私を助けてくれたのがマルコさんだったのは、運が良かったのか。

世の中、いい人ばかりじゃあないもんね。


クザンさんから貰った飲み物は、アイスティーだった。

飲んでからようやく、喉が渇いていたと気付いた。


『ここは他に何があるんですか?』

「土産屋だったりホテルだったり、あとは……あー」

『?』


言いよどむクザンさん。


『……もしかして、人身売買ができる所があるんですか?』

「……まァ、な。本当は取り締まらねェといけねェんだが、できねェんだ」

『えっ。どうしてなんですか?』

「天竜人っつー、世界政府を作ったお偉いさんの子孫がいてな。そいつらも人間を売買するからだ。だから俺らも手が出せねェのよ」


そうだったんだ……。

なんだか怖い所だな、ここ。1人じゃあ、絶対に行きたくない場所。


「ま、他は楽しい島だよ。今のは聞かなかった事にしてくれや」

『…分かりました』


でも不安になって、承君の学帽を胸に抱えた。

もし……もし承君がいたら、きっとこんな気持ちになったりしないのにな。


「それ、ずっと持ってるけど、帽子?」

『あっ…はい。そうですよ』

「破けてねェ?」

『そういう物なんです』


承君が被ると髪と一体化するんだよね。不思議。


「千紘ちゃんの?」

『私の、凄く大事な人のなんです。だから、大切に持っているんです』


これを持っていると、植物図鑑以外の支えがある様で淋しくない。

だから、絶対に失くしたり壊さないようにしなくちゃ。

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ローグ - めっちゃ面白いですね!更新頑張ってください!あ、あと16話の″後悔″は″航海″ですよ! (2019年3月24日 20時) (レス) id: 9534f8c68f (このIDを非表示/違反報告)
ナーガ(プロフ) - 輝夜さん» コメントありがとうございます!!返信が遅くなってしまいごめんなさい!これからもよろしくお願いしますっ! (2017年11月5日 15時) (レス) id: 44a0d047ab (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 一言いいですか・・・・・おもしろすぎるわ馬鹿やろぉぉぉぉぉ!!!しかもコラソンとロー出てるしやばい((一言で収まらなかったw (2017年10月21日 15時) (レス) id: 9db3921189 (このIDを非表示/違反報告)
閻魔舞(プロフ) - ナーガさん» WWW はい!読ませていただきます! (2017年9月24日 1時) (レス) id: c9845c6beb (このIDを非表示/違反報告)
ナーガ(プロフ) - 閻魔舞さん» ありがとうございます!!よければ、他の作品もよろしくお願いしますね!(さりげなくアピールww) (2017年9月23日 22時) (レス) id: 33ea84a1a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナーガ | 作成日時:2017年8月8日 18時

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