Episode.８ ページ10
Aside
．
ミ「 駄目だ優ちゃん！この距離じゃ，あの化け物には当たらない！」
ﾌｪﾘﾄﾞ「 あれ〜，それ僕の銃じゃない。地図だけじゃなく，銃も取ったのかぁ。」
優が持っている銃を見ながら，ニヤニヤとするフェリド。……絶対なんか企んでやがるな。
ﾌｪﾘﾄﾞ「 あはは…いいねぇ君ら。まだ抵抗できる元気があるんだ。じゃあもう一つ希望をあげよう。」
『 …なに…？』
ﾌｪﾘﾄﾞ「 実はその地図，本物なんだ。だから君達の後ろの道を真っ直ぐ走れば，外の世界に出られる。 外に出られたら，僕はそう簡単には追えない。
．
その希望と絶望の狭間で，君達はどんな声で鳴くのかなぁ…？」
『 ッ…！』
こいつ…俺達の今の状況を，退屈しのぎの遊びとして楽しんでやがるのか…！
優「 に……ッ逃げろ！皆んな走れ！逃げるんだ！」
ミ「 優ちゃんの言う通りだ！ 皆んな，出口まで走って！！」
優とミカの言葉に，今まで恐怖で固まっていた皆んなが，出口に向かって走り出す。
優「 ミカ！A！ 俺達でフェリドを足止めするんだ！皆んなが逃げ切るまで時間を稼ぐぞ！」
『 あぁ！』
ミ「 う…… 」
優の言葉を聞き，フェリドの方に向き直ると
……また，体の横を風が通った…。
ﾌｪﾘﾄﾞ「 言っただろ？ 僕は君達の絶望した顔が見たいんだよ…。」
そう言って，軽々と首を飛ばしたり，背中を斬ったりし，次々に家族を殺していくフェリド。
皆んなは恐怖から，泣き叫びながら出口へと走って行く。もうこれは………地獄絵図だ。
ミ「 や……やめろ…。やめてくれえぇ！！」
ミカが大声で泣き叫んでも，フェリドは止まろうとしない。むしろ，先程よりも笑顔でニヤニヤしながら，家族を殺して行く。
もう殆ど家族が殺され，フェリドが次に標的にしたのは……
優「 茜！！」
茜「 嫌あぁ！！」
『 茜ぇ！！』
俺は茜に向かって手を伸ばすが勿論届くはずもなく，手は空を切り，茜は頸を斬られて倒れる。
『 あ……茜…。』
優「 そ，そんな…。」
俺達はフェリドに何もできずに，一瞬で家族を失ってしまった。俺は，ただただぼーっと突っ立っておくことしか出来なかった。
早く逃げた方がいいと頭では分かっているが，足が震えて全く動けない。
ミ「 優ちゃん…。銃を貸して…。」
優「 は…？」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：音 羽 | 作成日時：2018年9月27日 22時
