【終わセラ】運命のセラフ【男主】 (ページ4)

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Episode.２ページ4

Aside
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優「くっそー…。ああ，もう我慢できねぇ！！痛えし，フラフラするし！何よりあの吸血鬼どもの家畜を見るような目！」

さっき血を抜かれたばかりで頭が痛いのに，優が吸血鬼への愚痴を叫んでいて頭に響く。

『優，煩い。頭に響くだろうが！』

ミ「 Aちゃんも充分煩いよ。」

優「だからさA，ミカ。俺達で革命起こそうぜ！三人で強くなって吸血鬼の女王ぶっ殺して，ここに人間の王国を作る！」

『話聞いてたか？！』

ミ「 Aちゃん…もう何言っても無駄だと思うよ。それに頭悪そーな計画。夢見すぎ。もしくは漫画の読みすぎ。」

優「漫画なんか読んでねーよ！」

『まぁ，漫画無いしね。』

ミ「とにかく，吸血鬼殺すとか大声で言わないでくれる？これ以上，吸血鬼に目つけられたくないん… 」

『ミカ……。あれ見てみ？』

俺はミカの肩を軽く叩いて，優の方を指差す。ミカと一緒に優を見ると，吸血鬼に指差して宣戦布告みたいなのをしていた。

もちろん優は，ミカの言葉なんか最初から聞いてなかったぞ。

優「俺，毎日一万回腕立てしてんだから… 」

ミ「聞ーとんのか！」

『あ，ナイスチョップ。』

優「痛ッた！何すんだよミカ！」

ミ「馬鹿の頭が良くなるようにしてあげたんだよ。それに，腕力で人間が吸血鬼に勝てるわけないでしょ？」

優「じゃあ，どうすんだよ！」

ミ「だから頭を使うんだよ。脳みそ，ブレイン。馬鹿には無理。お分かり？」

優「お前，ぶっ飛ばすぞ！」

『優だって分かってんだろ？腕力なんかじゃ，吸血鬼はどうにもできないってこと。』

俺の言葉を聞くと，分かりやすいくらいに悲しそうな顔をする優。え…なんか気まずい。

優「だからって…。じゃあ，どうすんだよ……。」

ミ「そりゃ……！」

優「？」

ミカが喋ろうとしたら，何かを見つけたらしくその方向を向いて固まる。
疑問に思った俺と優は，ミカの目線の先を見る。

そこには，高そうな服を着た奴らが何人かいた。こっちに歩いてきてるみたいだけど…

『あれって吸血鬼…。』

優「しかもフード被ってねぇ。貴族か？」

どちらにしろ，こっちに向かってきてる。
俺は無意識に構えた。
そしたら……

ミ「フェリド様！」

優「は？」『え？ …ミカ？』

ミカがその貴族の方に向かって走っていった。俺と優は，ミカの予想外の行動に開いた口が塞がらなかった。

ミカはあの貴族の吸血鬼を知ってんのか？