【終わセラ】運命のセラフ【男主】 (ページ3)

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Episode.１ページ3

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＿地下都市サングィネム＿

広い宮殿のようなところに沢山の子供がいる。皆んな，同じ服を着て，同じ椅子のようなものに座って何かを待っているようにも見える。

そんな中，真剣に本を読む少年が一人。
少年が読んでいる本には，《夜を歩く者の手記》と書いてある。

優「おいA，ミカ！これ見てみろよ。吸血鬼ども，頭破壊されると死ぬらしいぞ。」

ミ「 …ちょっと考え事してるんで，話しかけないでくださーい。」

『頭破壊するッて……どうすんだ？ぶん殴るとか？』

優「なッ…。A，馬鹿なのか…？」

ミ「優ちゃんに言われるなら，相当の馬鹿だろうね。」

『俺は真面目に考えたんだぞ！』

優「あとさ，腕についてる腕章みたいな装置外すと，紫外線で死ぬらしい。」

『おい，無視すんじゃねぇ！』

ミ「興味ナッシングでーす。あと，Aちゃん煩い。」

仲良さそうに談笑している三人。
本を読んでいる黒髪の少年は，百夜優一郎。二人に散々馬鹿にされている黒髪の少年は百夜A。綺麗な金髪で，二人の話を馬鹿にしている少年は百夜ミカエラ。

この三人は，百夜孤児院からの仲だ。

ミ「大体，そんなの調べてどうするんだよ。」

優「そりゃ決まってんだろ！強くなって，吸血鬼どもをぶっ殺すんだよ。」

『計画とかあんのか？』

優「うッ…。そ，それは…これから，考える。」

『要するに無いんだな。』

ミ「というか，人間が吸血鬼より強くなれるわけないじゃん。頭使ってよ。」

優「そんなの，やってみなきゃ分かんないだろ！」

『いや分かるだろ。本に書いてあんじゃん。人間の腕力は吸血鬼の７分の１しかないって。』

優「関係ないね！だったら頑張って７倍強くなりゃ…… 」

優一郎がそう叫んでいると，誰かが後ろから優一郎の肩を抑える。……吸血鬼だ。
吸血鬼は注射器のような物を取り出すと，三人の首に刺していく。

三人は大人しくしているが，針を刺されている痛みからか，血を抜かれる痛みからか，苦しそうな表情を浮かべている。

「お前らは我々吸血鬼に生かされているんだ。ただ大人しく血を差し出してれば，それでいい。」

そう言い去っていく吸血鬼を睨む三人。
ここでは，吸血鬼に血を与える代わりに，化け物などから守ってもらえるらしい。

だが，優一郎とAは，こんな生活にうんざりしていた。

『絶対にここから抜け出してやる…。』

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