Episode.９ ページ11
Aside
．
ミ「 僕が囮になってフェリドを引きつける。だからその間に，優ちゃんとAちゃんは逃げて…。」
『 な，何言ってんだよ…。そんなの駄目に決まってんだろ…。俺達は一緒に外に出るんだよ…！』
ミ「 ……ごめん。」
ミカは俺の言葉を聞いて，悲しそうな顔をしながら下を向くと，一気に優の所まで走っていき，銃を奪う。
優「 ッ！ ミカ！やめろ！」
優が叫ぶと，ミカは俺達の方を振り向き，笑顔を浮かべた。今までに見たことのない綺麗な笑顔に，泣きそうになる……。
ミ「 …忘れないで，優ちゃん，Aちゃん…。僕達は，家族だ……。」
最後にそう言い，再びフェリドに向かって走って行く。俺は泣きながら，その後ろ姿を見ることしかできなかった…。
ﾌｪﾘﾄﾞ「 はは…ミカ君，君の血は美味しかったなぁ〜。ちょっと残念かも〜。」
ミ「 黙れ！」
ミカはフェリドに向かって銃を撃つが，軽々しく銃を飛ばされてしまい，腕を切られ，胸を突き抜かれていた……。
ミ「 ぁ…ぁあ……ッ。」
優「 ミカぁぁ！！」
『 ミ…カ……。そんな… 』
倒れたミカの元に，すぐ走って行く優。俺は，あまりのショックに足の力が完全に抜け，座り込んでしまう…。
俺もミカのそばに行かなきゃ行けないのに…足に，力が入らない……。
ﾌｪﾘﾄﾞ「 ん〜…。相変わらず美味しそうな血だねぇ。さぁ〜てと…… 」
『 ッ！！ 』
もう，外に出る希望を失い，ぼーっとしていると，いきなり目の前にフェリドが現れた。
ﾌｪﾘﾄﾞ「 はいは〜い。Aちゃんだったよね〜。ご機嫌いかがかなぁ…？」
『 ぁ……や。』
フェリドは俺の顔を覗き込むように見た後に，俺の両腕を片腕だけでまとめて掴み，床に押し倒す。
『 な…何して…… 』
ﾌｪﾘﾄﾞ「 何って…押し倒してる♪ あ，安心してね。君は絶対に逃がさないから。君を逃すと，僕達の怖ーい女王さまが怒っちゃうんだよ〜。」
『 そ，んなの…知らない。 俺は……に，逃げるんだよ…！ だから，離せ！』
俺は精一杯抵抗する。というか…女王さまって誰だ？ なんでそいつは，俺が逃げたら怒るんだ…？俺は，そいつに会ったことが無いのに…。
ﾌｪﾘﾄﾞ「 何々〜。僕を放っておいて考え事してるの？ 余裕だ，ね…ッ」
『 ひッ！』
フェリドが俺に話しかけてきた時，銃声が聞こえたと同時に，フェリドの頭から血が飛び散った。しかも，その血が俺の顔や服についた。
何が起きたんだ…。
．
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作者名：音 羽 | 作成日時：2018年9月27日 22時
