37話 ページ38
アスガルドに着き、ロキはオーディンの元へ連れていかれ、裁きを受けた。
母上の提案により、命を失うことを免れたが
ロキは地下牢で一生を過ごすことになった。
私もこれからの事について父上と話さなくてはならない。
『父上、兄上がお戻りになられました。』
「A、後で話そう。フリッガも混じえてな。」
『ええ、いつでも。それでは後ほど。』
戦から帰ったソーを父の元へ送り、街へ出た。
アスガルドには、美しい物が沢山ある。
街ゆく人々も、街並みも自然もとても魅力的な街だ。
だけど、ここに居る皆は私の名前すらも知らない
それは私にとって、心地よくもあり苦痛でもあった。
自室に戻ると、余計な程に広い部屋にため息をつく。
この部屋は私に行き場のない孤独感を感じさせる。
ベッドに寝転ぶと、見えたのはただ遠くに見える天井のみ
つい昨日まで、地球に居たことが嘘みたいに感じる。
「A、久しぶりね。
そんなに足を広げてベッドに寝てはなりません。」
部屋に入ってきたのは、母のフリッガ。
私にとって、とても尊敬できる素晴らしい女性だ。
品があり、時に優しく時に厳格に、私を叱ってくれた。
そして、母上からはたくさんの愛も受けた。
『母上…お久しぶりです。』
「ええ、あなたが無事に戻ってくれて良かった。」
『私も母上に会えて光栄です。』
「堅くならないで、私はあなたの母よ。」
優しく包み込まれるような眼差しに安堵し、肩の力が抜けたのを感じた。
『ここに居ると、毎日がとても長く感じます。
まるで呪いのように…。』
「ええ、でもあなたの父は、ずっと心配していました。
Aが幸せに、安全に日々を過ごせているかと。
そして、ソーよりもロキに懐くあなたの事も」
母上の顔を見ると、眉を上げて微笑んだ。
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みす(プロフ) - あわさん» コメントありがとうございます…!楽しんでいただけて何よりです!続編も作成中なので気長に待っていただければ嬉しいです。引き続きよろしくお願いします! (2022年8月3日 17時) (レス) id: f014233af7 (このIDを非表示/違反報告)
あわ - 楽しく読まさせてもらってます!更新楽しみにしております! (2022年8月3日 2時) (レス) id: 6d25826f7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みす | 作成日時:2022年7月19日 1時