35話 ページ36
Aside
「それで、A帰るところはあるのか?」
ソーは心配そうに尋ねた。
もちろん、帰るところはないけど、結局はまたアスガルドに帰らなくてはならない。
『アスガルドに戻らないと。
父と家について喧嘩してたの今思い出した。』
「ロキを連れてアスガルドに帰る。その時一緒に帰ろう。」
『うん、そうだね。』
「ねぇちょっといい?A。」
『ナターシャ、どうしたの?』
「貴方、生まれてから何年経つの?」
『んー…今年で20年?になる
アスガルドにいる間は歳を取らない魔法がかけられたの
だから、私の成長の権利を握るのは、父のオーディン。』
「それで思い出した。Aが4歳の時言ったんだ
もう4歳になって4年が経つ、いつになったら私は5歳になれるの、と。あれはとても可愛いかった。」
ニコニコしながらソーが話したことを私も覚えてる。
あの時は真剣に、早く5歳になりたいと願っていた。
知識や心はどんどん成長していくのに、体はまだ4歳のままで、私はそれを受け入れることしか出来なかったから。
『もういいよ、みんな引いてるし。
…これは呪いみたいなもんだよ歳を取らないなんて
本当は何も嬉しくない。』
「話してくれてありがとう。
貴方のこと少しでも知れてよかった。」
『ナターシャの事も、また教えてね。』
「ええ。また今度。」
ナターシャは少し俯いたあと返事をした。
「よし、みんな食べたか?じゃあもう店を出よう。」
みんなは立ち上がって店の外へ出た。
『あ、トニースターク!ご馳走様。』
「トニースターク?変わった呼び方だな。
まぁいいが、水は無料だ。お嬢ちゃん。」
『そっちこそ、変な呼び方…。』
トニースタークは歯を見せずに口角を上げて笑った。
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みす(プロフ) - あわさん» コメントありがとうございます…!楽しんでいただけて何よりです!続編も作成中なので気長に待っていただければ嬉しいです。引き続きよろしくお願いします! (2022年8月3日 17時) (レス) id: f014233af7 (このIDを非表示/違反報告)
あわ - 楽しく読まさせてもらってます!更新楽しみにしております! (2022年8月3日 2時) (レス) id: 6d25826f7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みす | 作成日時:2022年7月19日 1時