28話 ページ29
Aside
しばらくの間、カフェの席に座って頭を空っぽにしていた。
テレビに流れているニュースの映像には
ロキが人に杖を向けるシーンが流れる。
私の知っているロキでは無いと思った。
私がずっと王宮の自室に引きこもっていたあの間に
ロキの中で何か変化が起きたのだろう。
ふと窓の外を見ると、逃げ惑う人々の姿が見えた。
〈全員！外に出るな！外は危険だ！〉
店員の人がそう叫んだ。
窓の外で何が起きているかは分からないが
お店にいたある女性が言う。
〈私の夫と息子が外へ行ったの！誰か助けて…。〉
今にも壊れてしまいそうなほど弱い声…。
私なら彼女の家族を助けられる。
本当に傍観者でもいいのか。
私にしか行けないかもしれないのに。
『特徴は？服装とか、何歳くらいとか？』
〈あなたに助けられるわけないでしょ！
まだ子どもじゃない！〉
『大丈夫。信じて欲しい。』
そう言うことしか出来ない。
でも、魔法なら使える…。
私はたまたま思い出した、ナターシャの姿に変身して見せた。
〈…！？あぁ。息子はまだ2歳だから、きっと抱っこされてる。2人とも胸に星マークの着いた白のTシャツを着てるの。
名前はポールとエディよ〉
『絶対に助けるから、あなたはここに居て。』
目標の物が定まってない時はポータルが使えない。
探す時は自力で探さないと。
店の扉を開けて、外にでた。
空を指差す人が居て、私もそれにつられ上を見る。
そこには、キューブのエネルギーでてきたワームホールから、チタウリの大群が地球に侵攻していた。
しばらく走っていると特徴に当てはまる人を見つけた。
『ﾊｧ…ﾊｧ…。貴方ポールとエディね？』
〈そうですけど…貴方は、誰なんですか。〉
『とにかく、今は逃げましょう。ほら入って。』
突然出来たポータルを見て、怯えている様子だ。
『私が先に行く、手を繋いでて。』
恐る恐る私の手を握った彼の手はじんわりと汗をかいていた。
ポータルをくぐった先は、さっきまでいたカフェ
〈あぁ、良かった。2人とも無事だった？怪我は？〉
〈大丈夫だ、この女性が助けてくれた。〉
〈本当にありがとう。命の恩人よ。〉
女性は私を抱きしめてそう言った。
やっぱり、私なら助けられる。
…助けなきゃ行けない。
ロキを止めないと。
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みす(プロフ) - あわさん» コメントありがとうございます…！楽しんでいただけて何よりです！続編も作成中なので気長に待っていただければ嬉しいです。引き続きよろしくお願いします！ (2022年8月3日 17時) (
レス) id: f014233af7 (このIDを非表示/違反報告)
あわ - 楽しく読まさせてもらってます！更新楽しみにしております！ (2022年8月3日 2時) (レス) id: 6d25826f7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みす | 作成日時：2022年7月19日 1時
