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You
あぁ… 暑いなぁ … 。
重いなぁ…。
なーんて。カメラバッグを抱えながら
カメラマンの私は心の中で呟いてます。
カメラマン、向いてないのかな〜なんて
時たま思う、今日この頃。
大学もそれなりに良いとこでたけど、
写真が好きだったから海外へ留学して
有名なカメラマンの助手を数年して独立。
日本へ戻ってきたのは良いけど、
雇ってくれる所は数少ない。
カメラマンだけで食べていくには
それなりに給料貰わなきゃだし。
しばらく大学時代の友人宅を泊まり歩きして
1年後に、何とスカウトされた。
〜2年前
「えっ?!プロ野球ですか?!」
『はい(笑)』
「あの、何故私が…?私、野球とかルールすら知らないし…そもそも興味無い…」
『Aさんは野球にお詳しくないようなんで名指ししても分からないかも知れませんが、ある球団の監督様直々に、こちらへご連絡を頂きまして(笑)』
『うちのサイトに、Aさんのプロフィールや紹介文を載せているでしょう?それに目を惹かれたらしくって(笑)ちょうど専属のカメラマンを探されていたみたいなんです』
「プロフィール…」
文章からでも伝わるすっごい態度悪そうな文書いたんだけどな、、
「なるほど、」
『それで詳しい話になるんですけど、監督さんから提示された契約金は2500万。契約期間は、ご本人の要望にそう、だそうですよ(笑)』
「2500万?!」
『月でもかなり貰えますし、通常契約期間は1年と決まってますが要望次第ではずっとでも構わないそうですよ?どうします?(笑)』
そして私は直ぐにOKを出した。
選手の名前と顔を覚えるのには半年以上かかったし
正直、望んでいたような仕事内容では無かったけど
結構楽しいから満足してる。
「よいしょ」
観客席にカメラバッグを無造作に放り投げ
カメラを首から下げ、
球場を見渡す。
暑いんだよなぁ。非常に暑い。
季節は真夏。
屋外で練習してる選手達の方が倍に暑いだろうけど。
重たいカメラを持ってたってる方もかなり辛い。
1人でブツクサ言っていると
〜バッ
?「だーれだ!!」
いきなり私の視界が、ゴツイ手で塞がれた。
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作者名:maru | 作成日時:2021年8月7日 22時