たった一日 ページ8
翌朝。
お酒の入っていた瞼も頭もやけに重たい。
首を倒してみてもAの姿が見当たらない。
DH「……A…？」
ベッドを軋ませて起こした身体。
髪をクシャクシャとかいて大きなあくびをひとつ。
寝室を出て広いリビングスペースに出た。
大きなソファの手すりに頭を乗せて身体を丸めていたAの姿。
DH「こんな所で寝て……。風邪ひいたらどうすんだよ…。」
すぐ傍に腰を下ろして小さな頭をそっと撫でる。
大きな優しい手に起こされたようにAの瞼がゆっくりと開いて行く。
おはよう…
ドンヘ…
そう言って笑うAの姿を想像していた。
朝からキスを落として…
おはようと返す…
そして囁こう…
愛してると…
ドンヘの頭の中で作るほんの少し先の未来。
だけど…。
左手で目を軽くこするA。
ドンヘを見てもたれていた身体を起こすと小さく微笑んだ。
「おはよう…ございます……。」
寝起きの声がそう言った。
小さな違和感がドンへをハッとさせた。
何かを言いたそうに、でも言葉に出来ずに開いた口。
Aは首を傾げた。
「どう……したんですか……？」
痛いくらい強く打っていた鼓動。
どうして…
頭の中にはそれしかなかった。
「頭痛い………。」
フラフラになるまでお酒を飲んだAの頭は痛んでも不思議じゃない。
でもそれを少しも覚えていなさそうなAは頭を抑えていた。
昨日俺の前に確かに存在したA…
でも…
昨日とは確実に違う今日のA…
どっちもA…
だけど…
「顔洗ってきますね…。」
丸めていた細い足を伸ばして素足のまま洗面所に向かうAの背中を見つめる。
まるで…
何も無かったかのように…
俺の良く知っているAは姿を消して…
見えている姿も…
声も…
微笑む姿さえ…
間違いなくAなのに…
全然違う人みたいで…
ドンヘは拳を握りしめる。
たった一日かよ…
どうして…
こみ上げて来るものを唇を噛んで我慢した。
もう一度…
言って欲しかった…
俺を…
愛してると…
ドンヘは目をギュッと閉じると深いため息をついた。
昨日の夜。
Aが何度も泣きながら言い続けた「愛してる…」。
眠っていたドンへには届かない。
顔をタオルで拭きながら戻って来たA。
ドンヘはAの左手薬指を見て顔を歪めた。
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みんはは(プロフ) - ゆちょみんさんのお話はハッピーエンドになると言い切れないからドキドキします( > <。)ドンへが幸せになれますようにただ祈るのみ( > <。) (2017年4月24日 13時) (
レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 切ない苦いですね(TT) (2017年4月23日 12時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月22日 11時
