支度 ページ17
思い出して貰う…
元々一つのAと言う存在…
その中に眠っている…
辛い記憶の欠片…
スタッフと連れだって家の中に入って行くドンへの背中。
見つめてイトゥクは深いため息をついた。
YS「あいつ………。俺もAと一緒になんて……ホントにそんな事考えてんのかよ…。」
LT「……追い詰められてるんだ……ドンヘも……。」
ドカッと音を立ててシートを叩きつけるイェソン。
YS「なんで………なんでこんな事に……。」
苦しかったんだ…
ドンヘも…
寂しかったんだよ…
でも…
いつだってそれを我慢して来た…
Aの為に…
一人で…
イトゥクは運転席の窓を開ける。
LT「ヒョク、キュヒョナ乗って。」
そう言われて二人はワゴンに戻って来るとイェソンの傍に座った。
EH「ドンへの話、なんだったの？」
KH「真剣な顔してたみたいだけど…。」
ギアを入れ替えるイトゥクはゆっくりアクセルを踏む。
LT「幕をあげてやる…。」
KH「幕？」
YS「ドンへがAの為に用意した舞台の幕だよ……。」
EH「………何それ…？」
きょとんとするウニョクとキュヒョンは顔を見合わせて首を傾げた。
また回り出したウギョルのカメラ。
ドンヘは怖い顔を引っ込めて、いつも笑顔でAの傍にいた。
DH「A。」
名前を呼ばれて顔を上げる。
差し出されたマグカップ。
「あ、ありがとうございます。」
そっと両手で受け取った。
まだ痛々しい程の包帯。
それでも痛みは随分和らいでいた。
DH「何見てんだ？」
Aの傍ら。
ソファの肘掛に腰を落として覗き込む。
Aの膝の上の雑誌。
「忘れちゃったんですか？」
DH「え？」
「遊園地。」
DH「あぁ。行くか？」
「ホントですかっ！？」
嬉しそうな顔で見上げる。
DH「じゃあ支度して。」
「えっ！？今からですか？」
DH「行ける時に行かないと、俺たちいつ行けなくなるか分からないだろ？」
「あ……はい。」
Aはスクッと立ち上がる。
雑誌を閉じてドンヘの腕に抱えさせた。
「すぐ着替えますね。」
DH「うん。」
二階に上がって行くスリッパの音。
浮かべていた笑みを引っ込めて雑誌をソファに放るドンへ。
窓際に立ってカーテンを指先でめくった。
本気だよ…
もし…
Aを取り戻す事が出来なかったら…
その時は俺も…
一緒に逝くから…
Aのいない人生なら…
もう必要ない…
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みんはは(プロフ) - ゆちょみんさんのお話はハッピーエンドになると言い切れないからドキドキします( > <。)ドンへが幸せになれますようにただ祈るのみ( > <。) (2017年4月24日 13時) (
レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 切ない苦いですね(TT) (2017年4月23日 12時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月22日 11時
