二人のキミ ページ15
飛行機に乗る少し前。
Aと離れてトイレに入ったドンへはズボンのポケットから携帯を取り出した。
話したい事がある…
空港に11時に迎えに来て…
出来れば…
何人か連れて…
そう打ち込んだメッセージをイトゥクに送信していた。
ゆっくり走り出す車。
運転席のすぐ後ろに座っていたイェソン。
一番後ろの席を振り返る。
ウニョクとキュヒョンが戸惑う顔のAを一生懸命相手にしていた。
顔を前に戻すと足を組む。
賑やかな背中の声に負けないように、それでも小さな声で話しかける。
YS「……話ってなんだ…。」
LT「ヒチョルが心配してたぞ………。」
ドンヘはズボンのポケットに手を突っ込んでヨレヨレになってしまった紙切れを引っ張り出す。
そのシワを掌で軽く伸ばすと、腕だけ伸ばしてイェソンに差し出した。
指先で摘まむように引っ張った紙。
カサカサと音を立てて開くと、視線を動かして文字を読んだ。
イェソンの表情は剣史と同じように歪んでいく。
暫くして。
YS「………なんだこれ…？誰が書いた…？」
DH「………Aだよ…。」
YS「え？」
思わず振り返ってしまう。
一番後ろの席。
DH「そのAじゃない………。ヒョンたちが良く知るAの方だ…。」
意味深な言葉。
ドンヘは自分の頭の中でうまくまとめられる程度の話をして聞かせた。
LT「イェソン……何て書いてある…？」
運転席のイトゥク。
読めないから気になって仕方ない。
運転席に身体を寄せるイェソンは書かれている事を小さな声で読んで聞かせた。
そしてそれを聞いたイトゥクはイェソンと同じように顔を歪めた。
イェソンは運転席に寄せていた身体を背もたれに戻す。
YS「……お前……信じてるのか……？これを…？」
DH「Aがそう言うんだ…。」
YS「……本当にAが書いたのか…。」
再びズボンのポケットに手を突っ込む。
取り出したマリッジリングを見せた。
昨日まで…
確かにAの指にあったもの…
俺が付けた…
ウギョルが始まる時に…
DH「もし…それがデタラメだとして…そんなものを書いてリングと一緒に俺の鞄に隠すように入れた意味は…？」
YS「……それは…。」
DH「書かれた事が事実かどうかは大した問題じゃない…。」
問題なのは…
Aは確かに二人いる…
そして…
俺の愛しているAは…
常に俺の傍にはいられないって事だけ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みんはは(プロフ) - ゆちょみんさんのお話はハッピーエンドになると言い切れないからドキドキします( > <。)ドンへが幸せになれますようにただ祈るのみ( > <。) (2017年4月24日 13時) (
レス) id: 2600b841f9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 切ない苦いですね(TT) (2017年4月23日 12時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月22日 11時
