女優の末路 ページ10
大きなあくびをしながらスタジオを出て行くスタッフ。
挨拶すらまばらに聞こえた。
剣史『A…送って行く…。』
『必要ないわ……。』
剣史『そんな訳に行くか…。』
用意された靴から自分の靴へ履きかえる梓。
立ち上がるとAを見てニヤッと笑った。
梓『離婚したの?』
ハッとした顔。
梓『あら。捨てられちゃったんだ?可愛そう。女優の末路って悲しいのね。』
呆れた顔の剣史。
梓『私も気を付けなきゃ。日本一が無くなったら簡単に捨てられる女優にはなりたくないわぁ。』
煉『梓…いい加減にしろよ…。』
梓『きっともっと早く離婚したかったんじゃない?あなたがしがみついてたからタイミングが無かっただけで。』
わざとらしくクスッと笑った。
剣史『てめぇ……マジいい加減に…。』
梓に掴みかかろうとする剣史の横から伸びた細い腕。
Aは梓の私服をこれでもかと掴み上げた。
怒りに震えるような顔を思い切り近づける。
『女優としての私を悪く言う分には大目に見てやる……でも…プライベートを悪く言われるのは我慢出来ない…。』
ゾッとする視線が梓の足をすくませた。
『もう一度同じ事言ってみな……。次はこんなもんじゃなすまないから……。』
突き放すように離した手。
梓は無意識にその唇を震わせていた。
コツコツとヒールの音を立てて足早に出て行くスタジオ。
煉も剣史すらも圧倒されてその場を動けなかった。
飛び出すように出た外の世界。
"捨てられちゃったんだ?"
そうだね…
"ママを頼むな……"
お腹に話しかけていたドンへを思い出す。
あんなに…
あんなに楽しみにしていたのに…
あんなに嬉しそうに…
私じゃなかったら…
もっと普通の人だったら…
ドンヘはこんな思いする事無かったのに…
捨てられて…
当然だよ…
私なんかと一緒にいたら…
ドンヘは不幸にしかならない…
Aはトボトボと薄明るくなってきた空の下重たい足を引きずった。
開かれる病室の扉。
中はもぬけの殻状態だった。
雪『いないわ……。』
剣史『あいつまさか…あっちに帰ったんじゃ…。』
てっきり病院に戻って来るだろうと思って来てみればAの姿はない。
雪『マンション……危険なんじゃ…。』
剣史『俺行ってくるわ…。』
雪『私…帰って来るかもしれないから…。』
剣史『あぁ…。』
そう言って剣史は一人病室を出て行った。
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りん(プロフ) - 男ドンちゃん頑張ってくださいね〜(*´-`)ヒロインちゃんの心とかして… (2017年4月10日 14時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - (*´-`)ドンちゃん頑張って (2017年4月9日 16時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» 最初のお話からは随分進歩した二人が垣間見えたら嬉しいです。でもまだまだ終わりませんよ(笑 (2017年4月9日 13時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ドンちゃんの心とヒロインちゃん二人の成長、ヒロインちゃんは、命をかけてしまうほどにドンちゃんを愛してるのは、確かだね〜(*´-`) (2017年4月9日 10時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» いつもコメントありがとうございます。これから中盤戦に入りますのでお楽しみに^^ (2017年4月9日 9時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちょみん | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時:2017年4月7日 14時