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封筒の感触 ページ6

ドンヘがAに言った言葉の意味が理解出来ない。

手にある封筒の感触。

ゆっくり視線を落とした。


中身を取り出して開けば、離婚届にはドンへのサイン。


「ドンへと………離婚……?」


封筒を持っていた手が力を無くして離婚届と一緒に床に落ちた。


「離婚…………?」


何度口にしてみても実感がない。

それ以上に落とされたキスの火照りが痛いくらいだった。


雪はAを気にしながらも花瓶を置くとドンへを追いかけて走り出した。

足早に病院を出ようとするドンへ。

ロータリーを過ぎた所でようやく追いついた。


雪「ドンへくん!!」


大きな声に呼ばれて足が止まる。


雪「どうして…?どうしてよっ!?」


あなただけは…

どんな事があっても…

Aを守り続けてくれると…

Aに寄り添い続けてくれると思ってたのに…


DH「すみません………。」

雪「すみませんじゃ分からないわっ!」


背を向けたまま。

ドンヘは俯いた。


DH「Aはきっと……俺を見て思い出してしまう……。」


自分のせいで…

子供を失ってしまったと…

自分のせいで…

俺が辛い思いをしていると…


いつまでも…

いつまでも…

自分で自分を責め続けてしまう…


DH「俺には……そんな事させられません……。」

雪「分かってるでしょう…?あの子の為を想うなら…今は傍にいてやって欲しいって事は…。」

DH「分かってますよ……。」

雪「だったらっ!!」

DH「俺も……結構きついんですよ……。」

雪「え……。」

DH「Aの事が重たいんだ……。」

雪「だから……離婚して……ラクになりたいの……?」

DH「………そうです。」

雪「Aが一人で苦しむと分かっているのに……?」

DH「……そう………です……。」

雪「私は……あなたを買いかぶり過ぎていたのかしらね……。」

DH「Aなら、支えたいと言う男はいくらでもいます……。」

雪「本気でそんな事思ってるの……?」


ドンヘは背を向けたまま小さく頭を下げると少し先のワゴンに乗り込んだ。


落ちた離婚届け。


きっと…

泣くところのはずなんだ…

きっと…

悲しい顔をするところのはずなんだ…


それなのに…

どうしてだろう…

少しも涙が出てこない…


いいじゃない…

ドンヘは…

私の所にいるより…

新しい幸せを探しに行ったんだ…


無理矢理納得させた心の中。

Aは床に落ちた紙を拾いもせず病室を出て行った。

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設定タグ:K-POP , SUPERJUNIOR , ドンヘ   
作品ジャンル:恋愛
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りん(プロフ) - 男ドンちゃん頑張ってくださいね〜(*´-`)ヒロインちゃんの心とかして… (2017年4月10日 14時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - (*´-`)ドンちゃん頑張って (2017年4月9日 16時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» 最初のお話からは随分進歩した二人が垣間見えたら嬉しいです。でもまだまだ終わりませんよ(笑 (2017年4月9日 13時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ドンちゃんの心とヒロインちゃん二人の成長、ヒロインちゃんは、命をかけてしまうほどにドンちゃんを愛してるのは、確かだね〜(*´-`) (2017年4月9日 10時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» いつもコメントありがとうございます。これから中盤戦に入りますのでお楽しみに^^ (2017年4月9日 9時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆちょみん | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/yuchuming/  
作成日時:2017年4月7日 14時

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