空港ロビー ページ48
9月7日。
空港のロビー。
サングラスで顔を隠していてもすぐに見つかるA。
微妙な距離感を保って囲まれたいた。
あちこちからする携帯のカメラの音。
なんだかやけに落ち着かなくて、少し移動すれば野次馬も一緒に移動した。
そこへ。
鳴り出した携帯。
細身のズボンのポケットから引っ張り出して野次馬に背を向けると耳に運んだ。
『はい。』
剣史『よぉ。』
『暇なの？』
冷たい声色。
剣史はこめかみをピクッと動かした。
剣史『んっとに可愛気のねぇ女だなっ！お前はっ！』
荒げる声すら楽しんで、Aはクスクス笑っていた。
『後………頼むわね……。』
剣史『あぁ……。』
『色々……ありがとね……。』
剣史『あぁ……。』
『剣史………。』
剣史『あ？』
『………いい……俳優になったわ……。』
その一言に目を見開く。
自分が理解している以上の衝撃。
『…早く………私を抜きなさい………。ここで……待っててあげるから…。』
剣史『……ふざけんな………。』
何が…
待っててあげるだ…
そこまでたどり着くのに…
俺はあと何年…
いや…
何十年かければいいか…
自分でも分かんねぇのに…
剣史『待ってて貰う必要もねぇ。お前なんかすぐだ、すぐ。』
『そうね……。』
強がって吐き出す自分の言葉が、やけに寂しくさせた。
剣史『A……。』
『何？』
剣史『頑張れよな……。』
『はぁ？誰に物言ってんの？』
剣史『……俺は…………。』
俺が…
欲しくて欲しくてたまらなかった女…
なのに…
少しも手に出来なかった女…
強烈に憧れた…
尊敬した…
でもムカつく女で…
無駄に気が強くて…
すぐ怒鳴って…
だけど…
俺は…
お前を初めて認識した時からずっと…
ずっと…
そして多分これからも…
剣史『……俺は……お前が好きだ……。』
ハッとした顔の後。
すぐに緩めた口元。
『雪に言いつける。』
剣史『いいさ。あいつも分かってる。』
『え…。』
剣史『バカ……あの時の事は黙ってろ……。殺されるだろ……。』
『でしょうね……。』
そこだけ動揺してる剣史の声がAにはおかしかった。
雪『A。行くわよ。』
背中で雪の声。
『また単身赴任ね。』
剣史『お前のマネージャーと結婚した時点で覚悟してた事だ…。』
『じゃあ。行くわ。』
プツッと切った電話。
ズボンのポケットに携帯を突っ込むと雪とゲートをくぐった。
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りん(プロフ) - 男ドンちゃん頑張ってくださいね〜(*´-`)ヒロインちゃんの心とかして… (2017年4月10日 14時) (
レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - (*´-`)ドンちゃん頑張って (2017年4月9日 16時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» 最初のお話からは随分進歩した二人が垣間見えたら嬉しいです。でもまだまだ終わりませんよ(笑 (2017年4月9日 13時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ドンちゃんの心とヒロインちゃん二人の成長、ヒロインちゃんは、命をかけてしまうほどにドンちゃんを愛してるのは、確かだね〜(*´-`) (2017年4月9日 10時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» いつもコメントありがとうございます。これから中盤戦に入りますのでお楽しみに＾＾ (2017年4月9日 9時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月7日 14時
