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書かれたサイン ページ21

韓国。

鳴っている携帯を掴むのはイル。


IL「……はい…。」


眠たそうな声。


「イル……?」

IL「……Aさん!?」


一気に目覚めたような声に変わる。


「悪いわね……こんな時間に電話して…。」

IL「いいんです。嬉しいですよ。」

「嘘ばっかり…。」

IL「本当です。もう…かけては貰えないと思っていました…。」


少しの沈黙。


IL「どうかしましたか…?」

「……頼みが…あるの…。」

IL「頼み…?」


少し思いつめるような声にイルは首をかしげた。


午前8時。

スタジオの扉が開けば流れて入ってくるスタッフや役者たち。

梓は結局途中降板になった。


眠たそうな顔であくびをする剣史。

Aの指定席の隣に腰をおろして、買って来た缶コーヒーを開けた。


煉『眠れなかったって顔だね…。』

剣史『お前もな……。』

煉『他の人の口からなんて嫌だと思ったから直接伝えたのに…結局追い詰めてしまった…。』

剣史『どういう形であれ……知らなきゃなんなかった事だ…。』

煉『そうだけど…軽率だったよ…。』

剣史『少しはスッキリしてくれるといいけどな……。』

煉『うん……。』


簡単に思い出せる。

Aが身体中から絞り出した声も、演技しろと言われても難しい色の無い視線も。


そして、Aを抱えていたドンへの寂しすぎる背中も。


剣史『梓の代役は?』

煉『そう言えばどうなるのかな……。』


不穏な空気が漂う中。

バタンと大きな音がした。


雪『剣史!!!』


スタジオ中が振り返る程大声を出す雪が血相を変えて飛び込んで来た。

躓きそうになりながら駆け寄って来た。


剣史『なんだよ……どした…?ひでぇ顔だぞ…?』

雪『これっ……。』


見せるのはAの走り書きがしてある封筒。

そして、ドンヘの名前の横に歪んだ文字でAの名前が書かれた離婚届。


剣史『あいつ……。受け入れるつもりなのかよ……。』


独り言のように呟いた。


剣史『Aは?』

雪『それが………いないの……。』

剣史『また抜け出したのか?じゃあこっち来んだろ…。』


雪は首を横に振る。


雪『私が起きた時にはもういなかった……。ここにいないって事は……。』

剣史『マンションは…?』

雪『寄って来たけどいなかったわ……。』

剣史『ドンヘのとこは……?』

雪『聞いて無いけど……これを置いて行ったならきっと…行ってないと思う…。』


雪は手の中にある重たいくらいの封筒を思わず握りしめた。

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設定タグ:K-POP , SUPERJUNIOR , ドンヘ   
作品ジャンル:恋愛
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りん(プロフ) - 男ドンちゃん頑張ってくださいね〜(*´-`)ヒロインちゃんの心とかして… (2017年4月10日 14時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - (*´-`)ドンちゃん頑張って (2017年4月9日 16時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» 最初のお話からは随分進歩した二人が垣間見えたら嬉しいです。でもまだまだ終わりませんよ(笑 (2017年4月9日 13時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ドンちゃんの心とヒロインちゃん二人の成長、ヒロインちゃんは、命をかけてしまうほどにドンちゃんを愛してるのは、確かだね〜(*´-`) (2017年4月9日 10時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» いつもコメントありがとうございます。これから中盤戦に入りますのでお楽しみに^^ (2017年4月9日 9時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆちょみん | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/yuchuming/  
作成日時:2017年4月7日 14時

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