良く知った匂い ページ14
翌日。
Aを連れて来たのは剣史だった。
先に来て待っていた雪はその姿に声をかけられなかった。
昨日一日。
気丈を保ってきた背中はどこにもない。
魂が抜けたみたいにずっと目を伏せるAは、静かに指定席に腰を下ろした。
同じ時刻。
駐車場に止まるワゴンから降りてきたのはSUPERJUNIOR。
その中に混ざっていたドンへ。
かけていたサングラスを外すと胸元に引っ掛けて歩く。
普段は賑やかな集団が、誰も声を発せず静かに通り過ぎるロビー。
その理由はやっぱりドンへだった。
HC「お前。ホントにこのままでいいのか？」
エレベーターの中でヒチョルが背を向けたまま声をかける。
目を伏せているだけ。
返事はない。
みんなの視線が集まるのを感じていた。
HC「俺は…お前の嫁の事はよく分かんねぇよ。でもさ…。」
どんな所で躓こうとも…
絶対くじけちゃいけない時ってのがあんじゃね…？
HC「お前のその選択は優しさか？俺には逃げてるようにしか見えない。」
ドンヘは、みんなに包み隠さず起きた事を話していた。
Aに離婚届を置いて来た事も。
どこかで聞こえるため息。
DH「もう……決めたんだ……。」
ヒチョルはチラッとドンヘを見る。
ズボンのポケットに手を突っ込んだ。
HC「お前のその決意で、嫁が幸せになれるといいな。」
小さな一言が胸に刺さる。
開くエレベーター。
見覚えのある長い廊下にたくさんの控室。
その先から歩いて来る。
現日本一の女優の姿。
短すぎるくらいのスカートから細い長い足をさらしていた。
ドンヘを見て足を止める。
グロスの乗った艶やかな唇が緩んだ。
梓「こんにちわ。」
すれ違い様声をかけられる。
この間は話さなかった言葉に少し驚いた。
DH「話せるんだ…？韓国語…。」
梓「日本一にもなると言葉くらい幾つか話せなきゃ。」
Aに絡んでいる顔を引っ込めて、表の顔を作り上げるとニッコリ笑った。
熱っぽい視線。
見つめられるのがくすぐったくて逸らした。
DH「撮影は…？」
梓「今日は午後からなんです。昨日は明け方までだったんですよ。」
DH「そう……大変だね…。」
甘えるように身体を寄せる梓。
指先が服の上から胸を伝った。
梓「私……あなたの事をもっと知りたくなったんです…。」
DH「え……。」
これでもかという上目使いで見つめてくる梓からはよく知った甘い匂いがしていた。
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りん(プロフ) - 男ドンちゃん頑張ってくださいね〜(*´-`)ヒロインちゃんの心とかして… (2017年4月10日 14時) (
レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - (*´-`)ドンちゃん頑張って (2017年4月9日 16時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» 最初のお話からは随分進歩した二人が垣間見えたら嬉しいです。でもまだまだ終わりませんよ(笑 (2017年4月9日 13時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ドンちゃんの心とヒロインちゃん二人の成長、ヒロインちゃんは、命をかけてしまうほどにドンちゃんを愛してるのは、確かだね〜(*´-`) (2017年4月9日 10時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» いつもコメントありがとうございます。これから中盤戦に入りますのでお楽しみに＾＾ (2017年4月9日 9時) (レス) id: 6cff334935 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月7日 14時
