言われれば言われるほど ページ46
ポンポンと自分の隣に座るように促した。
静かに座るドンへは俯いたまま。
雪「剣史…言ってなかった？出てろって…。」
DH「はい……。」
雪「見ちゃったの…？」
DH「はい……。」
雪「私も昨日からきつく言われてた……。絶対入ってくるなって…。」
ホロッとこぼしてしまった涙。
それが嫌でギュッと目を閉じた。
雪「撮影よ…？お芝居よ…？」
DH「分かって…ます……。」
雪「相手は私の旦那なのよ…？」
DH「分かってますよ………。」
芝居だと…
演技だと…
撮影だと…
言われれば言われる程…
悲しくなった…
じゃあ…
俺の腕の中にいるAは…
見た姿があまりにリアル過ぎて…
錯覚さえ起こして…
俺の腕に抱かれる時でさえ…
演技なんじゃないかと…
そう思ったら…
怖くて…
不安で…
雪「ドンへくんもドラマやるでしょ？」
DH「はい…。」
雪「ああいうシーンは無い？」
思い出す。
Aと撮影したシーンを。
Aは…
とても怯えて…
とても…
怖がって…
俺の囁きすら…
もう聞きたくないと泣いていた…
雪「思い出さない？」
DH「え…？」
雪「昔も一度こんな事があったわ。」
ドンヘの頭に過らせる。
シャツ1枚で男に襲われるようなシーンを撮影していたAを。
雪「ああいうシーンにも動じない子だった…。でもきっと今は違うと思う…。」
DH「今は…？」
雪「あなたが見ていた事は分かってるはず……。だったら…Aもきっと…。」
辛くて泣いている…
あなたに…
あんなシーンを見せてしまった事が辛くて…
どうしても止まらない涙が嫌でスタジオを出て来てしまったA。
それを追いかけて来た剣史。
剣史『A…。』
『なに…よ…。』
剣史『悪ぃ……無理矢理にでも…外に出せば良かったな…。』
『なんで…あんたが謝んのよ……。』
剣史『俺は雪に絶対入って来るなって…言っておいたんだ…。』
『そう……。』
何度も鼻をすする小さな声。
剣史は腕を伸ばしてAの身体をそっと抱き寄せた。
剣史『悪ぃ………。』
『謝んないでよ……。』
剣史『俺が言ってやるから……。あれは芝居だって……ちゃんと言ってやる……。』
剣史が優しければ優しいほどにAの涙は止まらなくなる。
Aは剣史の腕の中で必死に泣き声を我慢して泣いていた。
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みき(プロフ) - まだまだ落ち着かないですね。心配でドキドキしてしまいます。(笑)更新ありがとうございました！続き楽しみにしてますね！ (2017年4月5日 22時) (
レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月4日 18時
