way -光の射す方へ- Part2 (ページ44)

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辛いシーンページ44

DH「なんだよ…？」

ムッとした顔を見せるドンへ。

剣史はズボンのポケットに手を突っ込んで顔を逸らした。

剣史「終わったら呼んでやるから…それまで外出てろ…。」

DH「えっ…何で？」

剣史「いいから……。」

そう言ってみんなの所に戻ろうとする剣史の腕をドンヘが掴み返した。

DH「今日は何の撮影なんだよ…？このドラマどんな話なんだ…？」

剣史「不倫の話だ…。」

DH「不倫…？」

それだけで察するには充分だった。

DH「もしかして…。」

きつい視線がドンへに投げられた。

DH「どっちと…？」

剣史「俺だよ………。」

セットの前で監督に何か言われて頷いているA。

剣史「お前にはきっと…辛い…。」

DH「でも……ドラマのワンシーンだろ……？そんな激しいのは…。」

剣史「まあ……見てたきゃ見てろ……。でも…後でAを責めるなよ……。」

そう言って剣史はAの元へ近づいて行く。

お互いに何かを真剣な顔で話した後、ゆっくりとセットに入って行った。

和やかな空気が怖いくらい一瞬で張り詰める。

よーい………カチン！！

と音がする。

Aは部屋を出ようとする剣史の腕を掴んだ。

『行かないで……。あの人の所に……帰らないで…。』

ゆっくりと振り返る剣史。

視線を絡みつかせる時間がやけに長く感じる。

剣史『お前は…それでいいのか…？』

『私なら……構わない……。』

少しずつ間合いが詰まって密着していく身体。

剣史『俺は……お前を…傷つけたくない…。』

『いいの……。あなたと一緒にいる為なら…私はいくらでも傷つく…。だから……。』

二人の吐息まで感じられそうな距離までズームする。

『だから……あなたの手で……私を…壊して……。』

場面には必ずある。

きっかけのセリフ。

剣史は深くキスを落とすと、セットのベッドにAの身体を沈めた。

上から見下ろして少し辛そうな顔。

Aが伸ばす手が頬を撫でて首筋に回ると一気に始まる。

『ンッ……ンッ……アッ…ンッ……。』

剣史『もっと鳴いてみろ……俺を欲しがれ……。』

『ァッッッ！！』

Aの細い足をグイッと持ち上げて剣史の身体が割りこんでいる姿。

リアル過ぎるくらいのAの甘い声。

細い身体を撫でるように持ち上がって行く剣史の手が、Aの細い腕をベッドに押し付けた。