足音 ページ40
「大丈夫よ。」
明るい声を装った。
DH「でも……。」
ドンヘも思い出してしまう。
雪との電話をしている最中何度も聞こえた怒声。
「って言うか、それって何の心配？」
DH「えっ、何のって聞かれると…。」
「私がその子に負けるかもしれないって事？」
DH「いや…そういう意味じゃ…。」
「じゃあどう言う意味？」
どういう意味かって聞かれたら…
説明に困るだろ…
でも…
Aがあれだけこだわっている称号を持ってる女優なら…
きっと…
心を揺さぶられて…
今自分の手の中に無い事をやっぱり後悔してしまうんじゃないだろうか…
そう思ったら…
またあんな風に…
今度は一人で泣くのかと思ったら…
DH「心配なんだよ……色々と…。」
曖昧な表現。
Aは首をひねる。
「色々とって……………。」
話の途中でハッとして振り返る。
コツコツコツ…
近づいてくるのか遠ざかって来るのか分からない足音。
真っ暗なマンションの周囲。
薄暗い等間隔の街灯の明かりを頼りに目を凝らして見回す。
やっぱり認識出来ない人影。
DH「A？どうした？」
黙ったままのA。
DH「おい。A？どうしたんだよ？」
ドンヘはAを何度も呼んだ。
思わず携帯を握りしめる手の力が強くなる。
「ドンへ……。」
DH「A。どうかしたのか？」
心配そうな声。
「誰か…つけて……。」
DH「え？」
声が小さすぎて聞き取れなかった。
コツコツコツ…
鳴り止まない足音。
怯えた顔で後ずさるA。
そのまま身を翻すとマンションの自室まで一気に駆け戻った。
玄関に飛び込んで鍵とチェーンをかける。
廊下に響く。
小さな靴音。
コツ…
コツ…
コツ…
扉に近づいて来たかと思ったら突然消えるように無くなった。
DH「A！A！？」
ずっとAを呼んでいたドンへ。
「……またかけるわ…。」
DH「あっ！おいっ！A！？」
携帯を玄関に転がして靴を脱いで上がりこむ。
リビングの扉を開ければ見慣れない空間。
いつも…
帰る部屋の中には…
ドンヘの匂いがあって…
ドンヘの笑顔があって…
抱きしめる腕と…
キスしてくれる唇があって…
脱力するように床に座り込む。
ドンヘ…
小さな恐怖に震わせてしまう身体を細い腕でギュッと抱きしめた。
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みき(プロフ) - まだまだ落ち着かないですね。心配でドキドキしてしまいます。(笑)更新ありがとうございました！続き楽しみにしてますね！ (2017年4月5日 22時) (
レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月4日 18時
