怒った口調 ページ30
どこをどう走って来たのか分からないまま。
Aはただ一人で静かになった深夜の街を歩く。
「何やってんだろ……私……。」
ボソッと呟く。
ポロッとふいに落ちた涙を慌てて拭った。
「やだ……なんで…。」
特に泣きたい気持ちでも無かったのに、目が勝手に泣いていた。
一粒落とせばおこる連鎖反応。
ポロポロとこぼれていく。
その度に手の甲で何度も何度も拭った。
分かってる…
分かってるから…
そんなに泣かないでよ…
また迷うじゃない…
せっかく…
せっかくひとつの結論に辿り着こうとしてるのに…
また悩んじゃうじゃない…
DH「A！！！」
突然聞こえたドンへの大きな声にハッとする。
泣いたままの顔を上げれば、ずっと向こうから走って来るドンヘ。
肩で息をしながら距離を保って止まる足。
「……何…よ…。」
DH「何よじゃない……。さっきのあれは何だよ…。」
「なんでもない…。」
DH「ちっとも帰って来ないし…心配して探しに来てみれば…こんなとこで泣いてるし…。」
鼻をすすって足を踏み出せばドンヘの横を通り過ぎる。
DH「A！」
「何でもないわよっ！」
DH「あんな時間に男の車に乗って、なんでもない事あるかっ！」
「ドンへには関係ないでしょっ！」
細い腕が軋む程掴まれると、強く引き寄せられた。
DH「関係あるんだよっ！お前は俺の女なんだぞっ！？」
俺の……女……
DH「いつもいつも俺は関係無いって言いやがって！」
珍しくドンヘはとても怒った口調だった。
DH「いい加減俺を見ろっ！俺を必要としろよっ！！」
「してるわよっ！」
DH「してないっ！お前はいつも一人で勝手に抱えて一人で勝手に解決してんだろうがっ！」
もう片方の腕も強く握られればもう動けもしない。
DH「俺はな…あんなどこの誰かも分からないような奴にお前を抱かせる気はないんだよっ！！」
掴まれた腕がジンジン痛む。
DH「浮気なんかさせるかっ！！覚えとけっ！！！」
そう言って深すぎるくらい強く重なる唇。
驚く程熱くて、Aは思わず顔を歪めた。
もしかしたら…
どこかで思っていたのかも…
私が気を移せば…
ドンヘは…
もっと別の…
新しい幸せを掴めるんじゃないかって…
私なんかとじゃない…
こんな苦労や心配のない…
穏やかな幸せを…
ドンヘの大きな声はAを追いかけて来ていたイルにも届いていた。
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みき(プロフ) - まだまだ落ち着かないですね。心配でドキドキしてしまいます。(笑)更新ありがとうございました！続き楽しみにしてますね！ (2017年4月5日 22時) (
レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月4日 18時
