大きな愛 ページ25
DH「俺に……付いて来い……。」
無意識に頬を伝う涙。
どうしてこの人は…
もっと…
後悔していいのに…
私なんかと一緒になった事を…
もっと…
探していいのに…
感情に振り回される事のない穏やかな未来を…
どうして…
いつもそうやって…
震える唇をキュッと噛んで俯けば、涙がボロボロこぼれていた。
自分でも驚く程たくさん。
DH「明日の夜には…帰るから……。」
「そ…う……。」
DH「ちゃんと鍵かけて寝ろよ……。」
「分かって……る…わよ……。」
DH「お前はいつも開けっ放しだから……。」
「うる…さい……。」
ドンヘの耳にも届く。
泣いているのが分かる声。
強く抱きしめてあげたいのに傍にいてあげられない歯がゆさ。
DH「……愛してるよ…。」
「……バ…カ…。」
DH「A……愛してる……。」
鼻をすする音。
たまらずに携帯を下ろしたAは、静かなリビングで泣いていた。
その声を聞かれないように。
必死に我慢しようとしながら。
次の日。
よく眠れなくて、Aは早朝からリビングのソファに膝を抱えて座っていた。
雪『全く……鍵くらいかけなさいっ！』
そう言ってリビングの扉を開けたのは雪。
ドンヘにあれだけ言われたのに結局鍵をかけずにいたA。
振り返って見る雪の顔。
アッと言う間に泣き顔へと変わる。
『ゆ………き………。』
困った顔で微笑みながら腰に手を当てた。
雪『またドンへくんに心配かけて………。』
そのまま泣き出してしまうAにゆっくり近づくと隣に座った。
腕を伸ばして抱きしめる。
細い身体。
雪『剣史がね……あいつ心配だから早く帰れって。』
『……大きな………お世話……よ……。』
雪『……ただいま…。』
ギュッと抱きつくように握りしめる雪の服。
『……おか……えり………。』
Aは雪の腕の中で子供みたいに泣いていた。
雪は優しく頭を撫でながら、小さく微笑んだ。
女優であるだけだった頃は…
絶対こんな風に泣かなかった…
辛いとか…
悲しいとか…
怖いとか…
笑ったり…
喜んだりする事でさえ…
うまく出来なかった…
でもね…
日本一じゃなくなっても…
あなたの人気が無くならないのは…
あの頃よりずっと…
あなたが人らしくなったからよ…
だから…
安心して身を委ねなさい…
あなたを人らしくしてくれた人に…
必ずAを包んでくれる…
大きな愛に…
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みき(プロフ) - まだまだ落ち着かないですね。心配でドキドキしてしまいます。(笑)更新ありがとうございました！続き楽しみにしてますね！ (2017年4月5日 22時) (
レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月4日 18時
