生きてきた世界 ページ21
IL「あなたは…どうしたいんですか…？」
「私は…。」
そんな事…
もう何度も考えたのよ…
でも…
その先へ進めない…
どんな未来が待っているのか…
想像も出来ない…
私なんて…
台本が無ければ何も出来ない…
「もし…この子を犠牲にして女優を続けても…私の求める結果が手に入る保障はない…。」
だけど…
求め続けなければ…
絶対にこの手には戻って来ない…
この子を優先して…
また女優として…
戻る場所があるのかどうかも…
分からない…
「だったら……私はどうするのがいいの……？分からないのよ……どんなに考えても…。」
IL「でも…選ぶしかない。子供は育っていきます。」
「そんな事……分かってるわ…。」
IL「決めるのはあなただ。だけど、その先の結論を作って行くのも…あなたですよ？」
そう言われて歪めた顔でイルを見た。
見つめ返されて微笑まれる。
スッと寄せられた顔。
小さなキスが落ちた。
歪んでいた顔が驚きに変わる。
IL「失礼……。ご主人がいて…お腹に子供を抱えているあなたにする事じゃありませんね…。」
イルはとても戸惑った顔で笑った。
Aは思わず握ってしまう。
イルのスーツの袖を。
グッと腰を抱き寄せられると、一気に重ねられた深いキス。
瞼を落とすAは、さっきよりもギュッとイルのスーツを握りしめた。
その日の夜。
雪「えっ…妊娠…？」
心配した雪が誘った食事。
ドンヘは雪と剣史と向かい合うように座っていた。
剣史「マジか……。」
驚きを隠せず顔を見合わせてしまう雪と剣史。
泣いていた理由をうまく説明出来なくて、結局そこだけをかいつまんで話したドンへ。
雪「あの子……産まないって言わなかった…？」
DH「えぇ……。」
雪「そうでしょうね……。」
DH「俺には……理解しきれないんだ…。」
心を分けて欲しいのに…
分けてくれない事に苛立ちさえ覚えるのに…
結局…
分けられてもどうにも出来ない自分がいて…
それがもっと…
自分を苛立たせる…
雪「ドンへくん…。」
DH「はい…。」
雪「もし…産みたいか産みたくないかだけを問えば…あの子は産みたいと言うと思うの…。」
DH「そう…でしょうか…。」
雪「でもね…Aが生きてきた世界はそんなに単純に出来てないわ…。」
DH「それは…分かっていたつもりです…。」
そう言って目を伏せた。
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みき(プロフ) - まだまだ落ち着かないですね。心配でドキドキしてしまいます。(笑)更新ありがとうございました！続き楽しみにしてますね！ (2017年4月5日 22時) (
レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月4日 18時
