失くした自信 ページ19
連れて来られた駐車場。
ひときわ目立つ高級車。
「え…これ…？」
IL「そうですが。何か？」
「医者って儲かるのね…。」
そう言われて苦笑いした。
座り心地のいい助手席。
深く身体を預けて乗り込んだ。
IL「さて。どこに行きたいですか？」
「あんたが付き合えって言ったんでしょ……。」
IL「そうでした。じゃあ、勝手に決めますよ？」
「好きにして…。」
ぶっきらぼうな返事。
顔色ひとつ変えずに走り出す車。
Aは肘をついて窓の外に流れる景色をただボーッと見ていた。
段々と変わってくる。
見慣れた喧騒の世界から美しい光輝く世界へ。
窓の外の景色が真っ青に染まると、思わず身体を起こした。
「綺麗………。」
思わず呟く。
陽の光を受けてキラキラと反射している海。
甘い匂いが負けそうな潮の香り。
窓を全開に開ければ風が髪を舞い上がらせた。
その頃。
日本のスタジオで一仕事終えたSUPERJUNIORたち。
控室の扉がノックされる。
一斉に振り返る視線。
DH「雪さん…。」
雪「やっぱり。」
そう言って笑う。
雪「剣史の様子を見に来てみたら、よく見た顔ぶれが揃ってるなと思って。」
雪に近づくドンへ。
仕事で紛れていた頭の中が思い出してしまった。
Aの事を…
ハグをしようと伸ばした腕。
そっと包み込む雪の身体を、ドンヘは思わず強く抱きしめてしまった。
雪「ちょ……ドンへくん……？」
雪の肩に頭をもたげる。
慌てる雪。
ドンヘの身体を離そうとして気づく。
震えていた事に。
DH「雪さん………俺……。」
雪「……どう…したの…？」
DH「俺……。」
その先が続かない。
行きのワゴンの中で散々泣いていたドンへを知っていたみんな。
その姿を見て、思わず目を伏せていた。
DH「……自信が無くなったんです…。」
雪「え…。」
DH「Aの……旦那でいる自信が……。」
肩越しで小さな声で囁かれる言葉に、雪は驚いて目を見開く。
説明して欲しそうに控室の中に視線を投げた雪。
イトゥクは首を横に振った。
誰も知らないんです…
どうしてそんなに…
ドンヘが心折れてしまってるのか…
ドラマ続きで…
久しぶりに顔を合わせたドンへは…
ワゴンの中で…
ただひたすらに泣いていた…
それが…
どうしてなのか…
誰にも分からない…
雪は歪めた顔のまま、ドンヘの背中をポンポンと叩いていた。
弟をあやす姉のように。
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みき(プロフ) - まだまだ落ち着かないですね。心配でドキドキしてしまいます。(笑)更新ありがとうございました！続き楽しみにしてますね！ (2017年4月5日 22時) (
レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月4日 18時
