way -光の射す方へ- Part2 (ページ17)

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スケジュールページ17

ドンヘのいないスタジオ。

どことなくいつもより広く感じた。

指定席にもたれて肘をつく。

残りのシーンを足早に撮影していた。

Aの傍らに立つ凛。

朝から少しも喋らないAを気にしていた。

凛『雪さんが……そろそろ戻るって…。』

『そう……。』

凛『Aさんの事…心配されてました…。』

『そう……。』

小さな返事だけ。

どこを見ているのか分からない視線。

『凛………。』

凛『はい…。』

『日本での仕事……取って……。』

凛『え…？』

『日本で仕事したいのよ……。』

凛『日本でって……この後シウォンさんの映画がありますよ…？』

Aは小さなため息をつく。

『同時進行して……。』

凛『同時進行って……。』

『出来るでしょ……。雪なら完璧にスケジュールを組むわ…。』

凛『組めと言われれば組みますが……その身体でそんなスケジュールを組んだら…。』

『組めと言われれば組めるのね…？』

黙ってしまう凛。

『じゃあ……組みなさい。』

凛『Aさんの……身体が持ちません…。』

『構わないわ…。』

凛『ドンへさんが心配します……。』

『構わない……わ……。』

何を考えているのか少しも分からない表情。

『やらないなら雪に頼むまでよ…。』

静かな物言いが寒気すら誘う。

凛『なんでAさんは……いつもそんなにご自分をいじめるんですか…？』

『いじめる…？』

凛『もっと……もっと幸せになる道もあるはずです…。』

ドンヘさんの傍で…

二人の子供を育てると言う幸せも…

そう言われてAは足を組み替えた。

『凛……お願いよ……。スケジュールを組みなさい……。』

凛『A…さん…。』

『私は……私が望んだ場所で……この身が亡びればいいと思ってる…。』

凛『えっ…。』

どんなに考えてみても…

辿り着く結論はひとつしかない…

『きっと…愚か以外の何物でもないんでしょうね…。』

ドンヘと言う幸せを手に入れたのに…

それをただ掴めばいいだけなのに…

自分から掴まないんだから…

『でも……それでいいの……。私は…それでいいのよ…。』

Aは立ち上がる。

真っ直ぐな視線で凛を振り返った。

『私を…殺すようなスケジュールを持って来て……。』

凛『Aさん…。』

それでも浮かべた微笑みは弱々しい。

自分自身に証明したい…

私はまだやれると…

このままでは…

終わらないと…

だから…