寂しい背中 ページ15
全ての事に始まりがあるように…
全ての事には必ず終わりが来る…
クランクアップも間近。
既に出かける用意をしてリビングのソファで足を組んでいたA。
いつかの時みたいにボーッとテレビの画面を見つめていた。
DH「おはよう…A……。」
「おはよ……。」
階段を静かに降りてきたドンヘはその背中に声をかける。
Aは背を見せたまま、小さな声を返した。
DH「俺……今日から日本だから……。」
「日本……？」
そう言われて振り返る。
足元にはスーツケース。
日本…
私が…
日本一を守り続けた場所…
目を閉じてまた背を向ける。
「そう………。」
DH「二日で…帰るから……。」
Aが…
心の底から叫ぶような声をあげていたあの日から…
俺は…
キミにどんな言葉をかければいいか…
分からなくなってしまった…
「別に……何日でもいいわよ……。」
DH「連絡するから……。」
「不要よ……。」
DH「A………。」
言葉を探すようなドンへにAは気づいていた。
DH「……大丈夫か…？」
「は…？何それ…？」
DH「大丈夫か……？」
聞きなおされた。
「大丈夫に決まってんでしょ………。私を誰だとっ……。」
言いかけて言葉に詰まる。
言おうとして…
いつも…
もう言えなくて…
その度に…
苦しくなって…
鳴り出すドンへの携帯。
DH「……早く…帰るから…。」
そう言うのが精いっぱいで…
俺は…
DH「行ってきます……。」
「気を付けて……。」
小さな声。
何度も振りかえってしまう背中。
あまりに寂しい背中。
バタンと扉の閉まる音が後ろから聞こえる。
Aは額に手を当てた。
我慢していた物をただ一人静かに溢れさせる。
もう一度…
日本一の女優に…
日本で一番…
売れている…
主演女優に…
ドンヘのいなくなった静かなリビング。
抱きしめてくれる腕もない中、Aはただ肩を震わせた。
玄関前に止まっていたウォンの車。
一番最後のドンへ。
後ろに荷物を積み込んで乗り込もうとするワゴン。
やっぱり振り返ってしまう玄関。
きっと…
キミは一人きりで泣いてる…
乗せていた物の重みを思い出して…
乗せていた物の…
大きさを思い出して…
HC「お前の嫁は見送りもねぇのか？」
あけらかんと言うヒチョル。
EH「Aは？もう仕事行ったの？」
ドンヘはみんなの問いかけに答えもせず開いている席に座った。
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みき(プロフ) - まだまだ落ち着かないですね。心配でドキドキしてしまいます。(笑)更新ありがとうございました！続き楽しみにしてますね！ (2017年4月5日 22時) (
レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月4日 18時
