way -光の射す方へ- Part2 (ページ13)

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二人で歩く街ページ13

その夜。

DH「凛さん、今日はもういいですよ。」

凛「え？」

「え？」

凛もAも揃って声を出した。

DH「今日は、俺が連れて帰ります。」

Aを見て微笑む。

そんな言葉にすら戸惑う顔をするAを見て凛はクスッと笑った。

凛「それじゃ。お言葉に甘えます。」

小さく頭を下げた。

スッと差し出す手。

DH「帰ろう。A。」

掴み返す事が出来ない手。

ドンヘは少し強引にその手を握った。

ウォンの車さえ乗らずに歩き出すソウルの街。

DH「こうしてAと街を歩いた事、無かったかもしれないな…。」

「そう…だった…？」

DH「今度、二人のオフが合ったら、デートしたいよ。」

デートなんて響きがくすぐったい。

「オフが合うなんて無理な話だわ……。」

DH「Aの休みに俺が休みを合わせればいいだけだろ？」

「そんな簡単に…。」

DH「簡単さ。」

起きる事の全てはきっともっと単純なんだ…

俺たちが…

それをややこしくしてしまっているだけ…

時刻は既に深夜12時を過ぎていた。

ドンヘは足を止めてAに向かい合う。

DH「A……お前の口から聞きたいんだ…。」

「……え。」

DH「凛さんから聞いた…。」

目を閉じて深いため息をつくA。

「……妊娠してた…。」

DH「それをどうして俺に言えないんだよ…。」

横に逸らした視線が落ちる。

「なんて言うの……？」

DH「なんてって…。そのまま伝えてくれれば…。」

「それを伝えて……ドンへはなんて答えるの…？」

DH「そりゃ決まってるだろ。」

Aは繋がれていた手を離すとジャケットのポケットに突っ込んだ。

「凛から聞いたなら……分かってるでしょ……。私の意思は…。」

DH「俺は……産んでほしい…。」

「私は産みたくない………。」

DH「なんで…？俺とAの子供なんだぞ…？」

「そうね………。」

DH「絶対可愛いに決まってる。」

想像するだけで愛しさをかきたてられているような顔で微笑むドンへ。

「だから言わないでって…あれほど言っておいたのに……。」

DH「理由はなんだよ…？産みたくない理由は…。シウォナの映画が控えてるからか…？」

黙っていたA。

ドンヘの横をゆっくり通り過ぎた。

DH「A。」

呼び止めるドンへは振り返る。

呼び止められたAは足を止めた。