セリフ ページ11
スタジオの中に戻って来たドンへと凛。
(HS)「待って…待って下さい…。ジテは関係ないわっ…。」
二人の関係が公になって散々騒ぎ立てられた。
事務所はジテに接近禁止の法的措置を取った。
(HS)「だったら……私もこの仕事を辞めます。」
セットの中で揺るぎなくセリフを吐き出すA。
(HS)「ジテを悪者にするくらいなら…私はこんな仕事捨てます！」
カメラがズームしていく。
(HS)「彼がいたから…私は変われた…。彼無しじゃ私はもう私でいられない！」
A…
そのセリフを…
キミはどんな気持ちで言うんだ…
ポロポロと綺麗な涙をこぼし始めるA。
(HS)「お願い……。ジテに会わせて……。彼に会いたいの…。」
そのお腹に…
俺の子を抱えて…
俺を思うのか…
(HS)「彼を…………愛してるんです………。」
それとも…
ただのセリフか…？
細い腕を掴まれるとグイッと引っ張られる。
狭い扉から外に連れ出されようとした身体が大きな音を立ててセットにぶつかる。
ただぶつかっただけなのにAの膝が落ちた。
「う………。」
ハッとするドンへ。
*「すみません！大丈夫ですか…？」
「ごめん……大丈夫よ……。」
脇腹を抑えて痛そうな顔で、それでも微笑んで見せるA。
DH「大丈夫な訳ないだろっ！」
慌てた顔で駆け寄って来たドンへ。
DH「A……。痛いのか…？」
「ドンへ…？」
DH「ちょっと休め……ほら…立てるか…？」
身体を支えてくれる腕。
壁際の凛に投げた視線。
顔を歪めてAを見ていた。
凛…
あなたまさか…
喋ったんじゃ…
「ドンへ…。大袈裟よ…ちょっとぶつかっただけじゃない…。」
DH「ちょっとぶつかったって…痛そうだった…。」
「平気よ………。カメラ回して……。」
ドンヘをセットの外に押し出すA。
少し前のくだりから始まる。
ドンヘは…
絶対に堕ろすなんて言わない…
喜んで産めって言うはず…
だから…
何も知らないままで…
終わらせてしまいたかったのに…
狭い部屋に閉じ込められたヒソン。
力いっぱい扉を叩く。
(HS)「出してっ！お願い出してっ！！」
虚しいくらいの声。
扉に手をついてずり落ちる身体。
(HS)「ジテ………。助けて………助けて………。」
ドンヘは飛び込みたい衝動をグッと堪えていた。
芝居とは言え悲しいくらいのAの声を抱きしめたくて仕方なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みき(プロフ) - まだまだ落ち着かないですね。心配でドキドキしてしまいます。(笑)更新ありがとうございました！続き楽しみにしてますね！ (2017年4月5日 22時) (
レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年4月4日 18時
