ずるい女 ページ6
瞬きをひとつして、枕に落ちた小さな涙。
隣でまだ寝息を立てているイトゥクに気づかれまいと背中を向ける。
連絡すると言ったのに…
行くと言ったのに…
ドンヘ…
様子がおかしかった…
気になって仕方がなかったから…
それしか考えられなくなりそうだったから…
ジョンスに…
全てを忘れさせて欲しかった…
一番ずるいのは…
私なのに…
私が…
二つの気持ちにはさまれてフラフラしているから…
ジョンスも…
ドンヘも…
巻き込まれて…
泣いてしまう…
寝返りを打つイトゥクの腕がAの体に回される。
甘えるように体を寄せてくっついてくるイトゥクの体温。
Aは泣いて体を震わせないように必死だった。
どんなに装っても、どんなに誤魔化しても、どうしても心に残してしまうドンヘへの想い。
やっぱり少しも減らなくて、イトゥクとの想いに身が引き裂かされるようだった。
10時過ぎ。
あくびをしながらテレビ局のスタジオに姿を見せたイトゥク。
既に集まっていたメンバーと合流する。
SM「来た！」
ソンミンが真っ先にイトゥクを視界に捉える。
KH「おはよートゥギヒョン。Aさんの所に泊ったの？」
ニヤッと笑って冷やかしたそうなキュヒョン。
照れ笑いを見せるイトゥク。
RW「ニヤニヤしてるー！」
リョウクは少し興奮してキュヒョンの肩をバンバン叩く。
SD「ヒョンが外泊なんて珍しいから、みんなの詮索がひどくてよ…。」
YS「いくらヒョンでも電話くらいしろよな。」
LT「ごめん。」
シンドンとイェソンのぼやきに苦笑いのイトゥク。
少しも止まらない冷やかし。
所が、楽しそうな雰囲気の中、ヒチョルとウニョクだけは浮かない顔をしていた。
自分の携帯電話を眺めては何度もため息をつくウニョク。
ヒチョルはイラついた顔で足を組んでいた。
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年1月7日 10時
