約束 -赤い糸- Part2 (ページ28)

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約束 -HAPPY END②- ページ28

LT「そうだな。お前になんか渡したくもない。俺も、そうやって強がろうとしてるお前なんか大っきらいだ。」

険しい顔でドンヘを見てハッキリ言い返すイトゥク。

その直後、ドンヘをギュッと抱きしめて

LT「だけど…お前が泣いているのに…俺が幸せになるなんて…俺には出来ないんだよ…。」

それがどんなに綺麗ごとだと言われようが…

どんなに偽善だとののしられようが…

それが俺の本音だ…

LT「だから…。」

イトゥクは白い手袋をしっかりドンへに握らせた。

LT「最後のチャンスだと言ったろ…？」

お前にしか出来ない…

お前がするべき最後の選択だ…

震わせる声でドンヘにだけ聞こえるように、そっと囁いた。

強がって突っぱねようとしていたドンヘの顔が、アッと言う間に涙にぬれた。

子供みたいに声をあげてイトゥクの腕の中で泣いていた。

*「そろそろ始りますので。」

窓の外を眺めていたAに、係の人が扉から顔を覗かせて声をかける。

A「はい…分かりました…。」

顔を向けて小さく会釈して答えるA。

色んな事があった…

たくさん泣いて…

たくさん笑った…

だけど…

これからは…

私の傍にいてくれる人を…

心から大事にしていこう…

それが…

私に与えられた役割であり…

私の…

運命だから…

迎えに来た数人の係の女性たち。

ドレスの裾を軽く持ってAに付き添って移動する。

さっきまでとても賑わっていたロビーから人の姿が消えて、静まり返っていた。

扉が開いてからの段取りを説明されて、小さく何度も頷く。

ブーケを渡されて、扉の前に立つと、女性たちがドレスを綺麗に直してくれた。

中から讃美歌のオルガンが聞こえてくる。

参列者の歌声。

Aは目を閉じて軽く息を吐いた。

*「扉開きます。」

Aの顔にヴェールが落とされると、Aは視線を落とす。

ゴゴゴゴという重たそうな音を立ててゆっくりと扉が開いて行く。

女性に付き添われて、一礼すると、小さな歩幅でチャペルの中に足を一歩踏み出した。

*「わぁ…。」

という花嫁を見た招待客からの歓声が小さくもれる。

YS「おぉ…。綺麗だ…。」

SM「可愛いお姫様だね…。」

隣り合うソンミンとイェソンは顔を見合わせて微笑む。

係の女性は長いバージンロードに敷かれた真っ赤な絨毯の上にAが立つと手を離した。