自分勝手 ページ18
Aもドンヘも視線を落とす。
ここは…
俺達が初めて…
生まれて初めて…
その想いを通わせた場所…
初めて…
お互いの意思で…
唇を合わせた場所…
A「帰ろ…？みんな心配してる…。」
DH「なんで来た…？早くトゥギヒョンのとこに帰れ…お前はもう俺のとこに来ちゃダメなんだ…。」
Aは小さな手をギュッと握りしめる。
A「ジョンスが…私に電話してきた…。」
ドンヘを…
探して欲しいと…
きっと…
私になら分かる場所があると…
そう思ったから…
Aの言葉を軽く鼻で笑い飛ばす。
DH「自分の女に…俺を探させるなんて…自信たっぷりだよな…。」
言いたくもない嫌味を言ってしまう。
A「どうしてそんな風に言うの…？」
ジョンスが…
どんな想いで私の所に電話してきたか…
ドンヘに…
連れて行かれてしまうかもしれない恐怖で…
心が潰されそうなのに…
ドンヘの事が心配だから…
私に電話してきたんだ…
DH「大した兄貴だよ…ほんとに…。そうやって余裕ぶって…兄貴ぶって…。俺の事なんか…」
Aはドンヘの前に立つと、頬を思い切りはたいた。
とても怒った顔で頬に手を当ててAを見る。
DH「何すんだよ！」
A「分かってないのはドンヘの方じゃない！」
Aは自分の小さな手をギュッと握りしめる。
A「いつだって…勝手なのはドンヘじゃない！」
ほんのり赤い頬。
ドンヘは顔を歪めてAを見上げる。
A「どうして私を…もっと早く…迎えに来てくれなかったの…？」
どうして…
いつまでも…
私を縛るの…？
私を大事にしてくれるジョンスを…
ちゃんと愛そうって毎日思うのに…
心の中にひっかっている想いが…
少しもなくならない…
私の為にいつも一生懸命笑ってくれるのに…
ドンヘの笑顔が消えないの…
とても小さかった想いなのに…
どんどん大きくなって…
もう止められない…
私はどうすればいいの！？
どうして…
心を二つに割ってしまえないの…
ボロボロと涙を落として泣き叫ぶようなAの声。
ドンヘは顔を歪めて立ちあがる。
腕を伸ばしてAの体を抱き寄せると、少し強引に唇を重ねた。
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年1月7日 10時
