プロポーズ ページ15
Aの誕生日の二日前…
諦めて他の物にしようと…
みんなが口を揃えていたのに…
トゥギだけは…
店の灯りが落ちても…
最後まで頼み続けた…
バカだよな…
ホントに…
その時の事を思い出してヒチョルは小さく鼻で笑い飛ばした。
満足そうにクマの頭を撫でて微笑むイトゥクを見るA。
LT「部屋の中で見ると…凄いな…。」
スッキリしていたAの部屋を圧迫するような存在感に苦笑する。
Aはゆっくりイトゥクに近づくと少しだけ潤んだ瞳でイトゥクをじっと見つめる。
その視線にやけにドキドキさせられた。
A「ありがとう。ジョンス…。」
LT「いや、俺は別に何も…。」
苦笑いするイトゥクを、Aは細い腕を背中にまわしてしっかり抱きしめた。
驚いた顔をしてかたまるイトゥク。
A「…大好き…。」
小さな声が耳に流れる。
とても嬉しいのに…
凄く泣きたかった…
君の口から出た…
初めての気持ちに…
涙があふれ出しそうだったんだ…
抱きついているAの体をそっと包むように腕を回す。
何も言わず、目を閉じてお互いを感じていた。
LT「A…愛してる…。」
そう言われてAは顔を上げた。
相変わらず潤んでいる瞳を真面目な顔でジッと見つめて
LT「…俺と…結婚してください…。」
君を愛してる…
どうしようもないくらいに…
俺が…
必ず幸せにするから…
Aの表情が一瞬で驚きに変わると、それをほぐすようにイトゥクは頬を撫でた。
A「私…なんかで…いいの…？」
そんな返事がすぐに返ってくるとは思わなくて、思わず顔を歪めてしまった。
それでもすぐに嬉しそうに微笑んで
LT「君じゃないと…ダメなんだ…。」
小さな涙をひとつ、頬に落とす。
目を閉じてイトゥクの胸に額を付ける。
A「…ありがとう…。」
やっぱり泣きそうな顔をしてAをしっかり抱きしめる。
見つめあって額をくっつける。
愛してる…
何度言っても…
言い足りない程…
君を愛してる…
二人はゆっくり顔を近づける。
その唇の感触を確かめるように触れて、きつく重なるキスをした。
思い出してしまう初めてAにプロポーズした日の事。
泣きだしてしまいそうな程嬉しかった時の気持ち。
ふいに小さな涙が頬に落ちた。
ハッとして慌ててパーカーのフードを被る。
震える唇を必死で噛みしめた。
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年1月7日 10時
