約束 -赤い糸- (ページ10)

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招待券ページ10

翌月。

A「はい。いつものです。」

ソウル市内にあるこじんまりとしたカフェの店内。

Aの職場。

カフェオレの入った真っ白なカップをイトゥクの前に置いた。

LT「ありがと。」

イトゥクは目深に被っていた帽子のツバをあげて微笑む。

LT「Aはどんな所が良かったんだっけ？」

手元に何枚も開かれた式場のパンフレット。

カウンター越しにパンフレットを覗きこむA。

A「バージンロードが長くて、フラワーシャワーをたっぷり浴びられるような場所がいいな。」

「んー…。」と唸りながらパンフレットを次から次へとめくっていく。

LT「お。ここ、それっぽいよ。」

真っ白なチャペル。

真っ赤な伸びたバージンロードの長さには定評があるような記載。

差し込む光でステンドグラスが幻想的に輝く写真。

A「わぁ。素敵ね。」

差し出されるパンフレットを見ながら楽しそうな声を出していた。

数時間前。

EH「映画の招待券？」

撮影でいつも一緒になるよく知るスタッフから渡された2枚のチケット。

*「貰い物なんだけどさ、俺行く時間なさそうだし、良かったら彼女でも誘って行ってよ。」

EH「え…一緒に行く彼女なんかいないよ…。」

ボソッと呟くウニョク。

ふと思い出すAの顔。

EH「でも、ありがたくいただく。」

そう言って笑うと、チケットを受け取った。

別々に行動していたメンバーが集まってくる。

広々とした控室。

所狭しと何着もの同じ衣装が並んでいる。

EH「あ、来た来た。」

一番乗りのウニョクを見て手を挙げて中に入ってくる。

SM「早いじゃーん。」

ソンミンはウニョクにハグをした。

EH「ダンスレッスン行って直接来たからね。」

KH「お昼食べた？」

EH「まだ。」

YS「終わってからだと腹減るぞ？」

EH「レッスンの後はいつも食べないからいいよ。」

ゾロゾロと次から次へやってくるメンバー達。

控室があっという間に賑やかになった。

SD「うーっす。」

RW「あ、ウニョヒョン来てた。」

SW「おはようございます。」

HC「ねみー！」

一言ずつ何か言いながら、それぞれの勝手に決まっている所定の位置に荷物を置く。

一番最後に大きなあくびをしながら入ってくるドンヘ。

ウニョクの隣りに立って帽子と鞄を取ると、クシャッと髪をかきながら椅子に座った。