小さな箱 ページ37
口に出来ない思いを頭の中で呟く。
LT「だから…もう少し落ち着いてからでも…。」
暗い雰囲気を変えたくて無理して微笑む。
Aは箸を揃えて置いた。
A「ありがとう…。気遣ってくれて…。でも…私なら大丈夫だから…。」
寂しそうな色のまま微笑む。
A「母も楽しみにしてた。あんなハンサム捕まえるなんて、出来た娘だって言ってね。」
クスクスと笑うA。
その言葉に含みはなかった。
A「だから…。そんなに気を使わないでいいよ…。」
LT「そっか…。」
言いたい事はたくさんあった…
キミにも…
俺自身にも…
でも俺は…
やっぱりその微笑みに負けてしまうんだ…
LT「じゃあ…これを…。」
ジャケットのポケット。
小さな箱をAの前に差し出すように置いた。
中身は簡単に想像出来た。
Aは少し戸惑った顔でイトゥクを見る。
LT「今更だけど…。ずっと…渡さなきゃなって思ってたんだ…。でも…時間もなくて…。」
こんなもの…
君の心を…
繋ぎとめておくための手段でしかない…
縛っているだけなのかもしれない…
でも…
何を見ても…
何を聞いても…
俺の答えは…
ここにしかたどり着かない…
だから…
LT「開けてみて。」
Aは箱にそっと手を伸ばす。
静かに開かれた箱の中には、輝くダイヤの小さな指輪が入っていた。
どんな顔をしていいのか分からなくて、つい顔を歪めてしまうA。
LT「ちゃんと自分で選びに行ったんだよ?」
イトゥクは苦笑いしていた。
A「こんな…立派な指輪…。高かったんじゃ…。」
LT「そんな事気にしなくていいの。」
Aは泣きだしてしまいそうな顔を見せる。
LT「な…泣くなよ…。」
A「ありがと…。」
目を閉じて涙を我慢している姿を抱きしめたくて、イトゥクは腕を伸ばしてAの手を握る。
小さな手の中にある小さな箱を取ってリングを出すと、Aの細い左手の薬指におさめた。
光り輝く可愛らしいダイヤ。
真面目な顔でジッと見つめるイトゥクと視線を合わせる。
LT「約束する…。俺の全てでキミを愛してみせる…。」
だから…
俺を見て欲しい…
ドンへじゃない…
キミの前にいる…
俺を…
俺だけを…
愛して欲しい…
心で強く願いながらAの手を更にギュッと握った。
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作者名:ゆちょみん | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時:2017年1月5日 15時