悲しい雨粒 ページ30
唇の暖かさ。
吐息と一緒に流し込まれる熱い想いが身を焦がす。
全身の力が抜けてしまいそうでドンヘの腕に手を添える。
心が…
震えてる…
やけどしそうな程の…
ドンヘの唇の感触…
熱い…
ドンヘ…
私は…
体を包んでいた腕に力が入って、きつく抱きしめられる。
震えている唇をしっかり塞がれて、Aは瞼をゆっくり落とした。
まるで言葉に出来ない想いを交わすように、いつまでも二人は抱き合ってキスを重ね直した。
愛してる…
俺の瞳で…
君を認識した日から…
ずっと…
ずっと…
ソウルの街に小さな雨粒が落ちてくる。
すぐに強く降りだして、地面を雨色に染めていく。
やけに痛む胸。
二人の代わりに泣いてくれるような、冷たくて悲しい雨が降り続いた。
次の日の朝。
時計はまだ早朝。
街もまだ眠っている時刻。
Aは自室のベッドで膝を抱えて座っていた。
細い指で唇を撫でる。
震えてしまう手を握りしめる。
ドンヘの唇の感触がいつまでも消えずに、眠れなかった。
A「…ドンヘ…。」
ポツリと名前を呟くと一気に浮かぶ涙。
自分の体を自分の腕で抱きしめる。
ドンヘの腕の温かさと力強さが忘れられなくて、膝に顔を埋めた。
傍にいてほしい…
抱きしめていてほしい…
もう…会いたい…
夜中降り続いた雨。
電線についた雨粒がポタポタと水滴を落としていた。
始発と同時に宿舎に戻ってきたドンヘ。
扉の前で足を止める。
Aを抱きしめていた感触の残る手を見つめた。
その感触を逃がしてしまいたくなくて、ギュッと握る。
前よりずっと、止まらなくなってしまいそうな感情に押しつぶされそうで、扉にそっと頭をもたげる。
DH「A…俺は…」
どうすればいい…?
どうすれば…
君を引きとめることが…
出来る…?
肩が震えて一粒落とした涙。
次から次へと溢れて止まらなかった。
宿舎に入る事が出来なくて、ドンヘは扉の前で静かに泣いていた。
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作者名:ゆちょみん | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時:2017年1月5日 15時