ライン ページ28
同じ頃。
LT「ここでリクエスト曲行きます〜。」
ラジオの収録スタジオ。
メールを読んでリクエストの曲を紹介する。
曲がかかると同時にテーブルの上でカタカタと震えている携帯を手を伸ばして取る。
顔を知ったELFからのライン。
本文を開いてイトゥクの顔が曇る。
"彼女…オッパの大事な人だよね…？"
たった一言。
添付されていた写真を見てイトゥクは顔を曇らせた。
恋人同士のように腕を組んで、顔を見合わせ笑い合っているAとドンへ。
イトゥクは目を閉じて大きく息を吐く。
自分自身に何度も言い聞かせる。
落ち着け…
落ち着け…
Aとドンヘは幼馴染だ…
小さい時からずっと一緒なんだ…
一緒に歩いていたからって…
不自然な事なんか何もない…
俺は…
受け入れると決めた…
Aの中にくすぶっているドンヘへの想いも…
ドンヘの…
Aへの想いも…
決めたのに…
なんでこんなに…
苦しい…？
なんでこんなに…
胸が痛い…？
額に手を当てて込み上げてくるものを必死で飲み込む。
自分だけが取り残されていくような気がして、とても怖かった。
曲が終わるとウニョクの明るい声。
EH「いい曲！俺も大好きな曲です。リクエストしてくれた方ありがとうございました！」
イトゥクの進行が入るはずが、いつまで待っても声が入ってこない。
ウニョクはイトゥクの腕を揺らして
EH「ヒョン…。」
と囁く。
携帯を握りしめて顔を歪めたまま放心状態のイトゥク。
EH「…ヒョン…？」
もう一度腕を強くゆすられてハッとした顔をすると、すぐに笑顔を作って
LT「あ…はい。いい曲でしたよねーホント！」
と慌ててウニョクの言葉に同調した。
すぐにいつも通りの口調で進行するイトゥク。
ウニョクは違和感たっぷりの笑顔をジッと見つめていた。
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年1月5日 15時
