約束 -赤い糸- (ページ13)

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はじめましてページ13

HC「うーっす。」

来慣れた店の建てつけの悪い扉をガタガタと鳴らして開ける。

熱気がもわっと流れ出てきた。

女将「いらっしゃい！」

カウンターの女将さんが元気よく迎えてくれた。

HC「全員入れる？」

ヒチョルが顔を覗かせてそう聞くと女将さんは申し訳なさそうに顔の前で手を合わせた。

その後も知ってる店をいくつか当たったがどこもいっぱいだと言われた。

HC「どーするよ…どこも入れねーってさ。」

頭に乗せてたサングラスを外して胸ポケットに差し込む。

LT「クリスマス前だしね、仕方ないか。」

SD「俺腹減ったよ…。」

シンドンはグルグル鳴るお腹をさすった。

ドンヘは思い出したような顔をして

DH「俺の知ってるとこでよかったら空いてるかも。」

と言う言葉にみんなが即乗っかった。

ソウルの裏通りを迷路のように進んで行く。

男の足で20分歩いて、随分薄汚れた小さな店に辿りついた。

HC「…ここか…？」

KH「やってるの…？」

ピンクやオレンジの怪しげなネオンが連なるさびれた商店街の一角。

ドンヘは迷いなく扉を開ける。

A「いらっしゃいませっ！」

店の雰囲気からはまるで想像出来ない元気な声が聞こえてきた。

DH「よぉ。」

顔を覗かせたドンヘの姿を見てAは駆け寄る。

A「ドンヘ？ドンへじゃない！」

嬉しそうな顔で抱きついてくるA。

ドンへはハグを返した。

DH「おばさん、ご無沙汰しています。」

小さく頭を下げた先には、淡いピンクの着物姿の女性。

優しそうな微笑みをドンヘに向けた。

A「どうしたの？！」

少しだけ興奮状態でAはドンヘを中へ招き入れると、ゾロゾロとたくさん後について入って来た。

人数の多さにビックリしてAはきょとんとする。

DH「俺の仲間たち。10人入れる？」

どの男の子たちも、驚くほど顔が小さくてハンサムだった。

A「も、もちろん！いいよね！お母さん！」

Aはカウンターの女性に大きな声をかける。

Aの母は「大歓迎」と言って笑った。

狭い店内の座敷に通される彼ら。

コートや鞄を置いて座る。

お水やおしぼりをトレーに乗せてやってくるA。

DH「みんな、紹介するよ。俺の幼馴染でA。カウンターにいた女性はAのお母さん。」

そう紹介されたAは手を止めて彼らをグルッと見渡すと、とびきりの笑顔を見せて

A「初めまして！よろしくお願いします！」

と笑った。