両親 ページ5
その日。
Aは登校しなかった。
涼太は朝一から校長室に呼び出されていた。
M＊『申し訳ありません……。』
涼太の母は何度も頭を下げた。
ずっと俯いてるだけの涼太。
一度も謝罪の言葉を言わない涼太に、校長も、担任も怪訝な顔。
それでも、父も母も、何も言わなかった。
校門の前。
両親と向かい合う涼太。
M＊『涼太…。』
RT『ごめん……。』
心配そうな母の隣で父は笑みを見せた。
F＊『謝る事なんかない。』
RT『え…だって…停学だぞ…？』
渉は入院。
他の取り巻きたちも、涼太に殴られたものは、結構な怪我をした。
結果。
ふっかけたのは向こうなのに、涼太だけが停学になった。
その理由も知らされることのないままに。
F＊『休暇だろ？父さんだって休暇くらい取るぞ？』
あっけらかんと言って笑った。
涼太に近づく父はポンと肩に手を乗せる。
F＊『俺は、お前を誇りに思ってる。』
RT『父さん…。』
M＊『Aちゃんは…無事だったんでしょ？』
RT『少し怪我したけど…大丈夫…。』
M＊『良かったわ…。』
母は涼太をそっと抱きしめた。
M＊『約束…したものね…。守ってあげるって。』
RT『母……さん……。俺……。』
小さな母の優しい言葉に、もたげる頭。
F＊『泣くな。涼太。そんなんじゃこれから先もAちゃんを守って行けないぞ？』
鼻をすすって顔を上げた。
潤んだ瞳のまま、無理矢理笑って見せた。
F＊『胸を張りなさい。お前は何も間違ってない。』
大切な女性を守る…
お前は…
男として…
当たり前のことをしただけだ…
か細い母の腕が離れる。
M＊『ウチに帰ってもいいのよ？』
RT『大丈夫。』
F＊『私たちは、いつだってお前の味方だ。涼太。』
RT『ん。分かってる…。』
母と父は顔を見合わせた。
小さく頷きあう。
F＊『Aちゃんに、韓国のお酒をまたリクエストしてくれ。』
RT『え？』
M＊『お父さんったら、気に入っちゃったのよ。』
クスッと笑う母。
F＊『母さんも美味しいって飲んでただろう？』
M＊『はいはい。頂きましたよ。』
RT『分かった。頼んどくよ。』
俺は…
父さんと…
母さんの子供で…
ホントに幸せだよ…
F＊『じゃあな。』
M＊『身体に気を付けてね。』
RT『父さんと母さんもな…。』
随分歳を取った背中を涼太はいつまでも見ていた。
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なおたん(プロフ) - 見つけました。ありがとうございます！ (2017年7月4日 12時) (
レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - なおたんさん» トップにリンク貼ってありますのでクリックしてみてください。うまく飛べなかったら教えてください^ ^ (2017年7月4日 6時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
なおたん(プロフ) - ありがとうございます！申し訳ないのですが、GENEのお話専用アカの開き方を教えてくださいませんか？？ (2017年7月3日 20時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - なおたんさん» GENEのお話専用アカつくりました。よかったらまた読んでみてくださいね^ ^ (2017年7月3日 20時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
なおたん(プロフ) - 更新、お疲れ様です(*≧∀≦*)いやー、片寄さんと主人公ちゃんが仲直りして良かったです！ (2017年7月1日 15時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年6月23日 21時
