兄と妹 ページ16
バスルームから戻って来たA。
タオルで紙を拭きながら冷蔵庫を開ける。
ソファで缶ビール片手にテレビを見ているドンヘ。
シャキッとしたスーツからスウェットに着替えられていた。
「ご飯食べたの？」
DH「ん。外で食べて来た。」
顔も向けずに返事だけが来る。
ペットボトルを掴むAを振り返るドンヘは手招きをする。
DH「A。ちょっと座って。」
「何…？」
パタパタとスリッパの音を立ててドンヘの横にちょこんと座った。
リモコンの下にあったクシャクシャの紙。
DH「これ。」
「あ…。」
視線が落ちた。
DH「日にち、変えてもらえないのか？」
「え？」
DH「俺が行く。火曜なら時間取れるし、火曜もあるだろ？誰かと代わって貰え。」
Aはドンヘの手から紙を抜き取る。
折り目に沿って畳んだ。
「これはもういいの。」
無理矢理笑って返した。
DH「いい訳ないだろ。」
「いいのっ！」
手元にある紙を握ってしまう。
「進路なんて考えてないし、やりたい事もないもん…。」
小さくなる声。
その場を逃げたそうに立ち上がるのを止める手。
DH「だったら…俺と行こう…。」
「行くって…どこへ…？」
DH「韓国だよ…。」
「えっ…。」
ジッと見つめるドンヘの眼差し。
やけに真剣で逸らせない。
DH「目的もなく、ずっと一人でいるつもりか？」
「それは…。」
DH「それともなにか？涼太に永久就職でもしようってのか？」
「そんな…事…。」
肯定も反論も出来ないまま、俯いていた。
大きな手が撫でる、まだ湿った髪。
そのまま頬に添えられる。
DH「俺と来い…。A…。」
「オッパ…。」
伸ばした腕が、華奢な背を抱き寄せる。
DH「お前は…俺が守ってやる…。」
妹としてじゃなく…
兄としてじゃなく…
男と…
女として…
視線をゆっくり持ち上げれば見つめ合ってしまう。
DH「俺は……。」
その先を言いたそうに開く唇。
涼太になんか…
渡さない…
お前は…
俺の…
俺……の……
吐き出せない言葉は唇と一緒にキュッと噛み締めた。
DH「とにかく…俺が行く。日程をずらしてもらえ。いいな？」
「うん…聞いてみる…。」
フッと笑みをこぼして背中をポンポンと叩いた。
オッパ…
何を言おうとしたの…？
俺は…
その続きは…
なんだったの…？
なんで…
そんな寂しそうな顔をするの…？
ドンヘは静かに立ち上がると自室に入って行った。
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なおたん(プロフ) - 見つけました。ありがとうございます！ (2017年7月4日 12時) (
レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - なおたんさん» トップにリンク貼ってありますのでクリックしてみてください。うまく飛べなかったら教えてください^ ^ (2017年7月4日 6時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
なおたん(プロフ) - ありがとうございます！申し訳ないのですが、GENEのお話専用アカの開き方を教えてくださいませんか？？ (2017年7月3日 20時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - なおたんさん» GENEのお話専用アカつくりました。よかったらまた読んでみてくださいね^ ^ (2017年7月3日 20時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
なおたん(プロフ) - 更新、お疲れ様です(*≧∀≦*)いやー、片寄さんと主人公ちゃんが仲直りして良かったです！ (2017年7月1日 15時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年6月23日 21時
