三者面談 ページ15
その夜。
SY『そう…もうそんな時期なのね…。』
Aは小夜に面談の事を連絡していた。
『遠いし…無理だよね…?』
SY『ごめんなさい…。仕事が立て込んでいて…。調整はしてみるけど…。』
『あー…いいの。気にしないで。』
勤めて明るい声を出した。
SY『どうしたいか考えてるの?』
『全然!適当にごまかしとくから。ごめんね。変なこと言って。』
SY『出来るだけ行けるようにはするから…。』
『いいって!じゃ、また電話するね!』
ブチッと一方的に切る電話。
三者面談の紙をクシャッと握るとゴミ箱に放る。
縁に当たって床に落ちた。
小さなため息をついてソファに寝転がる。
お姉ちゃんが忙しいのは…
私を学校に通わせてるから…
両親がいなくなって…
お姉ちゃんは…
自分の時間を犠牲にして来た…
だから…
韓国の人と結婚するって聞いた時も…
韓国で暮らすと聞いた時も…
お姉ちゃんがこうしたい…
って決めたことには…
口を挟まなかった…
それしか…
私にできることが無かったから…
ボーッと眺める天井。
いいじゃん…
別にやりたい事なんかない…
進路なんて…
どうにでもなるんだから…
お姉ちゃんを煩わせる必要は…
『煩わせる………か…。』
お姉ちゃんにとって…
私は煩わしいんだろうな…
いつまでも重荷で…
いつまでもついて回って…
カチャッとリビングの扉が開く音。
DH「ただいま。」
「おかえり…。」
寝転がったまま、逆さまの視界にドンヘを入れて声をかけた。
その顔を覗き込むドンヘ。
DH「いいな。学生は気楽で。」
「お陰様で。」
なんとなく元気がない気がしたAの声。
DH「何かあったのか?」
「え?」
DH「元気無さそうな声してる。」
少しだけ考えてしまった三者面談の事。
ムクッと起き上がる。
「オッパ…来週の月曜って暇?」
DH「月曜?月曜は取引先と約束が入ってる。」
背中を向けたままのAに投げた視線。
DH「なんかあるのか?」
「……ううん。」
DH「A?」
ソファからガバッと立ち上がると笑ってみせた。
「何でもない。お風呂入るから覗かないでよね。」
バタンと勢いよく閉めるリビングの扉。
ソファの横。
ゴミ箱の側に落ちていた紙を拾い上げる。
クシャクシャの紙を開いて気付く。
Aの声のトーンが落ちていた理由が。
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なおたん(プロフ) - 見つけました。ありがとうございます! (2017年7月4日 12時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - なおたんさん» トップにリンク貼ってありますのでクリックしてみてください。うまく飛べなかったら教えてください^ ^ (2017年7月4日 6時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
なおたん(プロフ) - ありがとうございます!申し訳ないのですが、GENEのお話専用アカの開き方を教えてくださいませんか?? (2017年7月3日 20時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - なおたんさん» GENEのお話専用アカつくりました。よかったらまた読んでみてくださいね^ ^ (2017年7月3日 20時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
なおたん(プロフ) - 更新、お疲れ様です(*≧∀≦*)いやー、片寄さんと主人公ちゃんが仲直りして良かったです! (2017年7月1日 15時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちょみん | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時:2017年6月23日 21時