真っ赤な指先 ページ1
涼太の顔からはいつの間にか色が消えていた。
怒り…？
憤り…？
俺にも分からない…
ただ…
足の先から…
黒いものがこみ上げてきて…
少しすつ…
俺を侵食していくみたいで…
これに飲み込まれたら…
きっと…
もうAを抱きしめられない気がしたから…
本当は…
怖かったんだ…
RT『女を盾にしなきゃ俺に向かってこれねぇんだろ…？』
WT『なんとでも言え。』
ジリッと足をする音。
WT『そこから一歩でも動いたら…この女…死んじゃうよ？』
ズボンのベルトに手をかける。
ソファに膝をついてAの細い足を撫でた。
WT『お前の大事な女が俺に食われる様をそこで見とけ。』
涼太は目を閉じる。
もし…
お前を抱きしめられなくなっても…
許してくれるよな…
ゆっくり開いていく瞼。
細い足を開いて間に割って入る。
意識の落ちているAに抵抗の文字はない。
RT『殺す…。』
こぼすように呟くとつま先を弾いた。
渉がAに気を移してる一瞬の間に詰めた間。
右の拳を目一杯見舞う。
それから後はどう表現すればいいか分からない。
ただ…
気付いたら…
俺の拳は血に染まって…
崩れ落ちそうな床には…
あいつが倒れてて…
腰を抜かして震えている取り巻き連中は…
俺を…
恐ろしいものでも見るような顔で…
見ていた…
涼太はソファの傍に膝をつく。
大きな粒が重力に耐えられなくて勝手にポロッとこぼれ落ちた。
RT『……A…ごめんな…。』
巻き込まなくていいことに…
お前を巻き込んだ…
味わう必要のない恐怖を…
味合わせた…
俺のせいだ…
俺の…
頬に残る涙の跡。
拭ってあげようと伸ばした指先。
ハッとした顔と一緒に止まる。
自分のものとは思えないくらい真っ赤に染まっていた。
こんな手で…
拭ってやれる涙なんか…
無いよな…
乱された制服を軽く整える。
そっと抱き上げる細い身体。
小さな頭が涼太の胸にもたれた。
RT『帰ろ…。』
床を軋ませて出ていく地下。
外の世界は、起こった事など知らん顔でネオンを灯し続けている。
お前を守る為なら…
俺はなんだって出来る…
例え…
涙を拭ってやれないくらい…
この指先が真っ赤に染まっても…
お前を…
抱きしめてやれないくらい…
この腕が汚れても…
その手を血に染めて、Aを抱きかかえて歩く涼太の姿はとても目を引いた。
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なおたん(プロフ) - 見つけました。ありがとうございます！ (2017年7月4日 12時) (
レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - なおたんさん» トップにリンク貼ってありますのでクリックしてみてください。うまく飛べなかったら教えてください^ ^ (2017年7月4日 6時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
なおたん(プロフ) - ありがとうございます！申し訳ないのですが、GENEのお話専用アカの開き方を教えてくださいませんか？？ (2017年7月3日 20時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - なおたんさん» GENEのお話専用アカつくりました。よかったらまた読んでみてくださいね^ ^ (2017年7月3日 20時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
なおたん(プロフ) - 更新、お疲れ様です(*≧∀≦*)いやー、片寄さんと主人公ちゃんが仲直りして良かったです！ (2017年7月1日 15時) (レス) id: 42ca2f94b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年6月23日 21時
