電話番号 ページ9
辺りを見回す。
従業員の女の子が店を掃除していた。
DH「いいよ。気にしなくて。」
「でも…。」
DH「俺がいいって言ってるんだからいいの。」
「すみません……。」
新天地として選んだ会社も散々で…
ドンヘにも迷惑かけて…
ホント…
私何やってんだろ…
恥ずかしくて…
もう店に顔も出せない…
思わずため息をついた。
DH「キミ……名前は？」
「え……。」
DH「名前。」
「あ…………A……です。」
DH「Aか。」
ギュッと握られていた手と入れ替わるようにコースターを握らされた。
DH「今夜はあまり話したくないだろうから。」
渡されたコースターには番号が書いてあった。
その隅にはこれまた何度も見た覚えのあるドンへのサイン。
「あの……。」
戸惑った顔でドンへを見る。
DH「俺の電話番号。」
「えっ……。」
今…
なんて…？
DH「ここへ来て、あんな風に一人で泣こうと思うくらいならかけておいで。」
Aにはドンへの言っている意味が分からなかった。
この店にとってAは初めての客。
ドンヘにとっても初めて見る人。
それなのに…
ただ泣いていたというだけで…
電話番号を渡されるなんて…
からかわれてるのかな…
憐れまれてる…？
ううん…
きっと夢なんだ…
目が覚めたら何もありませんでしたってオチなんだ…
きっとそうに違いない…
頭の中が今度はうるさくわめいていた。
「……どう……して……？」
DH「どうしてかな…。Aの泣き方が…あまりにも悲しかったから…じゃダメかな？」
A…
ドンヘがAって…
私の名前呼んで…
もう…
何がなんだか分からないよ…
私は…
悲しめばいいの…？
喜べばいいの…？
歪みっぱなしのAの顔。
ドンヘはクスッと笑う。
DH「涙は落ち着いてくれたみたいで良かったよ。」
「あ…はい……。」
DH「帰るなら駅まで送ってあげるよ。」
「えっ…いえ…あの…。」
立ち上がるドンへ。
DH「おいで。」
手を差し出される。
鞄を掴んで立ちあがると少しだけためらって伸ばしかける手。
掴む事が出来なくてキュッと握った指先をこじあけるようにギュッと握られた。
DH「俺戻って来るから。」
カウンターの中にそう声をかけるドンへ。
Aは店の人に小さく何度も頭を下げると、ドンヘの手に引っ張られた。
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ゆちょみん(プロフ) - HARUさん» いつもありがとうございます。嬉しいです！少しずつ進展して行く感じを楽しみたかったのですがゆちょみんは毎度こういう展開（笑 (2017年3月8日 17時) (
レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りえさん» 読みに来て下さって嬉しいです。最後までどうかお付き合い下さい。 (2017年3月8日 17時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - いつも拝見させていただいています!!どうなっていくのか本当に楽しみです。 (2017年3月8日 8時) (レス) id: 4fc073db1c (このIDを非表示/違反報告)
りえ - 切なくて読む度にドキドキして次がどうなっていくのかすごく楽しみです。 (2017年3月8日 8時) (レス) id: 3ce4f408e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» ちょっと手さぐり過ぎててぐだっててごめんなさい。まあでもお話はゆっくり進行していきますので、じれったくても見守ってて下さいねｗｗ (2017年3月8日 1時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年3月5日 16時
