寂しそうな顔 ページ38
ハウンの書類を作って、会社を出たのは21時過ぎ。
ビルを出た瞬間の解放感が半端無かった。
『終わった……。』
目を閉じて深く息を吐き出す。
歩き出す足が痛む。
硬くて慣れないヒールであちこちに靴ずれが出来ていた。
歩き出そうとするAの前に立ちはだかるもの。
「……ヘヨンさん…？」
コツコツとヒールの音を立てて近づいてくる。
「お疲れ様です…どうしたんですか…？」
HY「あなたに話があったの。」
「話…？」
綺麗な髪をかきあげた。
HY「勘違いしないように言っておくわ。」
ヘヨンは腰手を当てる。
HY「ハウンさんの隣は私なの。」
「え…？」
HY「私はあの人の傍でずっと頑張って来た…それを横取りされるのは我慢ならない…。」
「横取りって…私…そんなつもりは…。」
指を強く胸に押し付けた。
HY「自分の身なりも整えられないような人に、ハウンさんの隣は渡さない。」
身なり…
そう言われて胸が痛んだ。
HY「胸に刻んで大人しくしていることね。」
フンと身体を翻すと髪を揺らして去って行った。
薄暗い部屋から出られたのに、やっぱり先の雲行きは怪しい。
Aはため息を突くと歩き出す。
足がひどく傷んで顔をしかめながら。
自宅までの20分の道のり。
途中から靴を履いていられなくて手にひとつずつ靴を持ってストッキングのまま歩いた。
ヒタヒタと冷たい地面を踏みしめて、靴を揺らしながら戻って来たマンション。
止まっている車が見える。
その前に寄り掛かるようにして立っていたのがドンへだと分かると足が止まった。
どんな顔するだろう…
なんて言うだろう…
そう思ったら声をかけられない。
ドンヘを見つめてやけにドキドキだけが募っていく。
その視線に気づいたドンへ。
ゆっくり顔を上げるとこちらをジッと見ているAを視界に捉えた。
DH「……A…？」
とても驚いた顔。
Aは恥ずかしそうな顔で微笑んだ。
「ただいま…。」
DH「……その…格好…。」
「あ…職場で…身なりを整えろって言われて…。」
ジッと見つめられて少し不安そうな上目使いでドンへを見た。
「どう…ですか…？」
フッと緩んだドンへの顔。
でもそれは…
喜びとは違う…
嬉しさとは違う…
DH「うん……可愛いよ。」
微笑むのに…
可愛いと言うのに…
とても寂しそうな顔だった…
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ゆちょみん(プロフ) - HARUさん» いつもありがとうございます。嬉しいです！少しずつ進展して行く感じを楽しみたかったのですがゆちょみんは毎度こういう展開（笑 (2017年3月8日 17時) (
レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りえさん» 読みに来て下さって嬉しいです。最後までどうかお付き合い下さい。 (2017年3月8日 17時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - いつも拝見させていただいています!!どうなっていくのか本当に楽しみです。 (2017年3月8日 8時) (レス) id: 4fc073db1c (このIDを非表示/違反報告)
りえ - 切なくて読む度にドキドキして次がどうなっていくのかすごく楽しみです。 (2017年3月8日 8時) (レス) id: 3ce4f408e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» ちょっと手さぐり過ぎててぐだっててごめんなさい。まあでもお話はゆっくり進行していきますので、じれったくても見守ってて下さいねｗｗ (2017年3月8日 1時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年3月5日 16時
