見覚えのある部屋 ページ17
翌朝。
フカフカな暖かい布団がやけに寝心地いい。
寝返れば身体を包み込んでくれた。
重たい瞼をいつまでも開きたくなくて目を閉じていた。
そこに小さな違和感。
鼻をくすぐる匂い。
いつもと違う匂い。
私の布団って…
こんな匂いだったっけ…？
そう思いながらゆっくりと持ち上げた瞼。
カーテンの隙間から射しこむ光が朝だと実感させた。
また…
一日が始まるのか…
深いため息を思わずついた。
あれ…？
いつもと違う景色にようやく気付く。
寝ぼけているせいかと眠たい目をこすって辺りを見回す。
次の瞬間ガバッと布団を跳ね上げて身体を起こした。
『えっ……ここ……どこっ…？』
やけに窮屈な服装はスーツのまま。
上着はきちんとハンガーにおさまって壁にかけられていた。
冷たいフローリングに足を付くとベッドから抜け出す。
静かに音を立てないようにそっと開いた扉から顔だけ覗かせた。
ここって…
もしかして…
どこかで見た記憶のある部屋。
その答えはすぐに視界に入って来た光景がくれた。
キィ……
扉が少しだけ軋む音。
歩く度ヒタヒタと足音がした。
ソファの上。
スウェット姿で自分の上着を布団代わりにして眠るドンへ。
インスタグラムで見た事ある…
ドンヘの…
部屋だ…
窮屈そうに寝返るドンへの肩から落ちた上着。
傍までそっと近づくと拾い上げた。
そっか…
私寝ちゃって…
連れて帰ってくれたんだ…
手にしていた上着をドンへの肩に戻す。
「どうして…ですか…？」
ソファの傍らに膝をついた。
無防備であどけなさの残る寝顔。
大好きで仕方ないドンへが近すぎる事が怖くも感じられた。
「私なんか……置いてってくれれば良かったのに…。」
ジワッと浮かんでくる涙。
「私なんか構ってたって…ドンへが得する事なんか何一つないのに……。」
無意識にポロッと落としてしまった涙。
気配に気づいたのか、ソファが窮屈だったのか、ゆっくりとドンへの瞼が開く。
視界に飛び込んで来るのは小さな涙を落として傍に膝をついているA。
DH「……また…泣いてる……。」
小さなため息と一緒に伸びて来た手。
頬を撫でた。
DH「…Aは……泣いてない時がない…。」
「そ……そんな事ありません……。」
強がって吐き出したつもりが震わせてしまった声。
DH「少なくとも……俺の知るAは……いつも泣いてる…。」
ドンヘはゆっくり身体を起こした。
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ゆちょみん(プロフ) - HARUさん» いつもありがとうございます。嬉しいです！少しずつ進展して行く感じを楽しみたかったのですがゆちょみんは毎度こういう展開（笑 (2017年3月8日 17時) (
レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りえさん» 読みに来て下さって嬉しいです。最後までどうかお付き合い下さい。 (2017年3月8日 17時) (レス) id: ffdc0a5660 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - いつも拝見させていただいています!!どうなっていくのか本当に楽しみです。 (2017年3月8日 8時) (レス) id: 4fc073db1c (このIDを非表示/違反報告)
りえ - 切なくて読む度にドキドキして次がどうなっていくのかすごく楽しみです。 (2017年3月8日 8時) (レス) id: 3ce4f408e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» ちょっと手さぐり過ぎててぐだっててごめんなさい。まあでもお話はゆっくり進行していきますので、じれったくても見守ってて下さいねｗｗ (2017年3月8日 1時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年3月5日 16時
