ラブストーリー ページ9
その週の土曜日。
Aはタイムスクエアのロビーに立っていた。
腕の時計は9時50分。
週末とあってか朝から結構な人。
ホントに大丈夫なの…？
こんなところに来たりしたら…
大騒ぎになるんじゃ…
と思っていた所にやってきた元気な声。
EH「A！」
手を上げながら駆け寄ってくる。
EH「早いね。待った？」
「いえ。さっき来た所ですから。」
EH「良かった。」
普段のラフな服装にただ帽子を少し深く被っているだけ。
案の定周囲の女性客たちにはバッチリ気づかれていた。
ざわつくロビー。
一斉に携帯のカメラが構えられる不思議な光景。
EH「行こっか？」
少しも気にすることなく伸ばした手。
掴めないA。
EH「どしたの？」
周囲が気になる素振り。
「あの……やっぱりこんな所はまずかったんじゃ…。」
微笑んでもう一度手を差し出す。
EH「気にしないで。ほら、行くよ。」
遠慮がちに伸ばしたAの手をキュッと握りしめると引いて歩いた。
やってきた映画館。
最近はやっているペアシートの特等席。
結局ウニョクも特段見たい物もなくて、Aが見たがったラブストーリーを見る事になった。
よくある話の連続。
くっ付いて誤解して離れて泣いてまたくっ付く。
やっぱり退屈になって眠たそうに大きなあくびをするウニョク。
鼻をすする小さな音にAを見れば、ボロボロ涙をこぼしていた。
スクリーンの中は誤解を解こうと主人公がヒロインに想いをぶつけていた。
A…
どうしたら…
キミの頭の中を…
俺でいっぱいに出来る…？
どうしたら…
このスクリーンの中の主人公は…
ドンヘじゃなくて…
俺になる…？
乗せるようにそっと握りしめていたAの手に被せる大きな手。
無意識なのかギュッと握り返された。
スッと手が伸びて涙でぬれた頬に触れる。
視界に入り込むウニョクを認識した直後にはもう重なっていた。
喉の奥まで焼きそうなキスが。
目尻に残していた涙が落ちる。
俺は…
キミが好きだよ…
スクリーンの中のヒロインが強く抱きしめられる。
同じように、ウニョクはAを強く抱き寄せた。
好きだよ…
触れ合っていた指先が指先の間に割り込むとキュッと握り合った。
A…
俺を好きになって…
俺を…
見て…
頭の中で何度も繰り返した。
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姫稀(プロフ) - 初めまして。ヒロインめっちゃ可愛いです。ドンへ〜ヒロインを笑顔にしてあげて〜！そして出てきた時から嫌いだったヘヨン←酷いかもだけど第一印象から嫌いだった(笑)お願いだから邪魔しないで〜と泣きながら読ませて頂きました。続き楽しみに待ってますね♪ (2018年9月21日 5時) (携帯から) (
レス) id: 674af9cd90 (このIDを非表示/違反報告)
haru(プロフ) - 続きが気になります！！(><) 個人的にこのお話一番好きです！！続き書いてほしいです！！ (2018年1月15日 0時) (レス) id: 60e783d7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» もーどん詰まり（笑 ガタガタな展開お許しを！ (2017年3月9日 22時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 2人の気持ち繋がってる(TT) (2017年3月9日 20時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - あードンちゃん大丈夫じゃないね、元カノのことまた好きになるよね…(TT)ヒョクチェヒロインちゃんを… (2017年3月9日 12時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年3月9日 0時
