3* ページ5
「白瀬」
「ん、何……?」
「今日、一緒に帰れるか?」
どき、と心臓が跳ねる。
そっと耳打ちされた快斗君の声は低くって、記憶に刻まれた声の面影を残しながらももう彼が大人だということを物語っていた。
「うん、大丈夫だよ」
頬が熱くなる。
向けた笑顔がぎこちなくないか心配だ。
私のことを覚えていてくれたのだろうか。
「じゃあ放課後に校門で」
「了解、です」
指でOKサインを作り、笑う。
ふと快斗君の背がとても高くなっていることを再認識してしまった。
いくら椅子に座ってるとはいえ、身長差はどうしても出てしまう。
快斗君の身長はどれくらいなのかな。
理想の身長差が一般的に15cmだから、170cm前半くらいが丁度いいのかも。
その点では低身長でもよかったと思っている。
*
「わり、待った?」
「ううん。行こっか」
少し息を切らしている快斗君に微笑み、歩き出す。
しだいに部活をしている生徒のざわめきが遠のいていって、静かな住宅街に入った。
「……身長、凄い高くなったね。快斗君」
「10年ぶりだもんな」
「覚えててくれたの?」
「当たり前だろ?俺のことを誰だと思ってるんだよ、A」
ふふ、と口元を綻ばせる。
覚えていてくれたんだ。
「でも、すっかり変わっちゃったでしょ」
「ああ。びっくりしたぜ」
「どう?……可愛くなった、かな」
髪の毛を耳に掛けながら上目遣いで見上げると、こちらを見ていた快斗君と目が合った。
慌てて逸らす。
「……なったんじゃね」
そっと盗み見ると、口元を軽く手で押さえた快斗君の耳は少し赤かった。
187人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月詠(プロフ) - ちょこさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜!!私の書く快斗くんがタイプに合ってて良かったです!!更新頑張りますね(*´∀`*) (2019年10月28日 17時) (レス) id: 01ace6dadf (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - すごく好きです!月詠さんが書く快斗くんめっちゃタイプです〜!更新頑張ってください!!まったり新しいお話をお待ちしております! (2019年10月28日 17時) (レス) id: 796ab8287e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ