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帰宅する準備をしていたら「夜道を女子が一人で歩くのは危ねーだろ」と快斗君が家まで送ってくれることになり、今に至っている。「しっかし」夜道の静けさと沈黙に耐えられなかったのか、快斗君が口を開いた。
「料理できたんだなオメー」
「向こうで快斗君のために練習したんだよ？」
「まぁたすぐそういうこと言う…」
「本気だって言ったらどうする？」なんて踏み出す勇気はまだ無かった。小中と会っていなかったから彼の女の子の好みはよく知らない。
どうやら自分磨きをした甲斐はあったみたいだから、今度は精神面で攻めなきゃいけないのに。
「てか、何で手紙の一通もくれなかったんだ？」
「…少しバタバタしてて。快斗君の方も色々あって忙しそうだったし、手紙送っても迷惑かなって」
「あぁ確かに…」
「期待してたの？」訊くと「まあ…」と曖昧に言葉を濁して顔を背ける。不器用な肯定に嬉しくなって口元を綻ばせると目を丸くする快斗君。
「ど、どうしたの？」
「…いや、何でもねぇ」
街灯はあるものの明るさには限界があるようで、快斗君の表情は影がかかっていて分からない。
それきり二人とも黙り込んでしまうけれど、気まずさは特になかった。むしろ少し安心してしまうのは彼が守ってくれると信じているからなのか、それとも＿＿
「ここか？」
快斗君が不意に見上げ、次に私を見る。
いつの間にか家のそばに来ていたらしい。おずおずと頷くと玄関前の塀に寄り掛かり、
「大丈夫。家入るまでちゃんと見てっから」
「ありがとう。…また、明日ね」
「おう」
そう言って微笑む彼に手を振ると、驚く素振りを見せながらも手を振り返してくれる。そんな何気ない優しさが嬉しくて、玄関の扉が閉まるのすら名残惜しい。
ガチャ、と鍵を閉め、扉を背にへたりと座り込んだ。
「快斗君、あんなに格好良かったっけ…」
可愛かったあの頃とは違って、もう"格好良い"が相応しい彼になっていて。
…もちろん今も可愛いところがあるけれど。
変な顔してなかったかな。ちゃんと落ち着けていたかな。そんなことを考える私なんてつゆ知らず、靴音が遠ざかっていった。
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更新遅れて申し訳ないです…！
終わり
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月詠(プロフ) - ちょこさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜！！私の書く快斗くんがタイプに合ってて良かったです！！更新頑張りますね(*´∀`*) (2019年10月28日 17時) (
レス) id: 01ace6dadf (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - すごく好きです！月詠さんが書く快斗くんめっちゃタイプです〜！更新頑張ってください！！まったり新しいお話をお待ちしております！ (2019年10月28日 17時) (レス) id: 796ab8287e (このIDを非表示/違反報告)
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